掲載日 : [2005-07-06] 照会数 : 5229
韓信協10組合…04年度決算業績
経営体質の強化進む
在日韓国人信用組合協会(洪采植会長)傘下全10組合の通常総代会が6月29日までに終わった。今年4月からのペイオフ完全実施の中で、全体の3月末決算業績(04年度)は、預金が前年比4・2%増の5522億5000万円、貸出金が同1・69%増の4072億9700万円と、いずれも業績を伸ばした。各組合が資本増強運動を進めた結果、自己資本比率は平均6・78%と健全な水準を維持した。不良債権処理を積極的に行った関係で、出資配当を実施したのは5組合にとどまった。
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あすか信用組合
黒字転換受け配当復活
あすか信用組合(本店・東京都)は6月27日、新宿の本店で第39期通常総代会を開き、李永植理事長を再選した。総代108人中87人(委任状37)が出席。
04年度決算業績は、預金1455億1400万円(前年同期比1・85%増)、貸出金1044億6100万円(同11・4%増)で、預貸率は71・79%。自己資本比率7・72%。純利益が5億2200万円と黒字に転じ、出資配当は1%。員外預金比率は昨年の66・44%から18・89%へと大幅に是正された。
李理事長は「昨今の日本経済はゆるやかな回復基調にあるものの、地域経済は依然として足踏み状態にある。金融業界に改革の波が押し寄せる中で、当組合は健全な経営の確保と収益力の向上を柱に積極的な融資促進を図った結果、前年度の赤字決算から黒字に転換し配当を出すことができた。今後も民族金融機関としての役割を発揮できるよう努力したい」とあいさつした。
総代の選挙区を①北海道②青森県③秋田県④岩手県⑤宮城・山形県⑥福島県⑦東京都⑧埼玉県−−の8つに区分する総代選挙規定の改定などを承認した。
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横浜商銀信用組合
預金高86億円の増加
横浜商銀信用組合(本店・横浜市)は6月28日、本店で第44期通常総代会を開いた。総代124人中110人(委任状50)が出席。
04年度決算業績は、預金1122億1174万円(前年同期比8・37%増)、貸出金725億4929万円(同6・12%減)で、預貸率は64・65%。自己資本比率は4・46%。業務純益は11億5348万円だったが、不良資産の早期処理により5億3095万円の純損失となった。
洪采植理事長は「特別定期預金『プレミアムハートフル』や『セレクトハートフル』などの発売により預金は前年度比86億円の増加となった。しかし、厳しい状況下にある中小企業の資金需要低迷から貸出金はマイナス基調となった。収益面では、収益増強と経費削減、経営合理化に努めたが、不良債権の積極的な処理により5億円の損失となった。今後とも、良質の金融サービスを提供することに努力したい」と語った。
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信用組合広島商銀
好評だった新商品販売
信用組合広島商銀(本店・広島市)は6月27日、本店で第44期通常総代会を開いた。総代139人中139人(委任状63)が出席。
04年度決算業績は、預金1119億9388万円(前年同期比11・73%増)、貸出金897億9432万円(同8・07%増)で、預貸率は80・18%。出資金が前年度末の13億9200万円から18億4200万円に増強された結果、自己資本比率は前年度の5・49%から6・09%に改善された。純利益5億7944万円を計上し、出資配当は3%。
鄭義夫理事長は「新中期経営計画の最終年度ということもあり経営基盤強化に全力で取り組んだ。独自の定期預金である55歳以上の『大輪』、40歳以上の『ミドルくん』、交通事故傷害保険付『ついてる君』などの商品を販売した結果、前年末対比で預金が117億円、貸出金が67億円増加した」と語った。
第3次中期経営計画の初年度となる今年の基本方針は、▽経営資産の改善▽経営内容の改善▽経営資源の再構築▽組織体制の再構築など。
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信用組合愛知商銀
出資金を約10億円増強
信用組合愛知商銀(本店・名古屋市)は6月23日、本店で第52期通常総代会を開いた。
総代129人中118人(委任状74)が出席した。
04年度決算業績は、預金646億6308万円(前年同期比0・83%減)、貸出金518億9283万円(同7・43%減)で、預貸率は80・25%。
権東鉉理事長は「ペイオフの完全実施に備え、経営の効率化や体質強化を図りながら決済性預金への切り替えを進めてきたが、貸出金相殺などにより預金量が目減りした。経営合理化による効果で業務利益は8億1300万円を確保することができ、積極的に不良債権処理を行った結果、当期損益は前年度比3億6200万円改善され9億4100万円となった。今後も地域密着型の金融を推進することに努力したい」と説明した。
出資金を前年比9億8700万円増の49億5000万円にするなど資本増強を推進した結果、自己資本比率は5・44%(同0・24%増)に改善された。
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九州幸銀信用組合
貸出金を3億円増やす
九州幸銀信用組合(本店・熊本市)は6月29日、福岡市内の九州幸銀ビルで第49期通常総代会を開き、金泰 理事長を再選した。総代113人中108人(委任状54)が出席。
04年度決算業績は、預金348億6400万円(前年同期比0・44%減)、貸出金268億3300万円(同1・15%増)で、預貸率は76・96%。自己資本比率6・95%。純利益は9676万円、出資配当は0・3%。
金理事長は「預金額がやや減少したものの、貸出金が前期比3億円増加したことで、不良債権処理を進めながらも純利益を計上し、わずかながら出資配当を実施できた。今後とも、顧客のニーズに対応した良質で多様な金融サービスを提供し、地域発展に努力したい」と語った。
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あすなろ信用組合
創立30年で攻めの営業
あすなろ信用組合(本店・松本市)は6月27日、長野市内のホテルで第30期通常総代会を開き、鄭進会長、尹昌旭理事長を再選した。
総代180人中125人(委任状69)が出席した。
04年度決算業績は、預金335億100万円(前年同期比7・19%減)、貸出金268億100万円(同4・84%減)で、預貸率は80・0%。自己資本比率5・40%。不良債権処理により、1億6900万円の赤字となった。
尹理事長は「収益力増強のため大胆な構造改革を断行し、合併当初の9店舗から3店舗を統廃合して6店舗体制に移行した。3店舗閉鎖にともない預金が大幅に流出したが、創立30周年記念『ベストチョイス定期』が大人気で預金吸収に成果を上げた。創立30周年にあたる本年は、『攻めの営業』に転換し大きな成果をあげるよう全力で取り組みたい」と述べた。
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北陸商銀信用組合
9%台の自己資本比率
北陸商銀信用組合(本店・福井市)は6月17日、福井市内のホテルで第40期通常総代会を開き、姜栄文理事長を再選した。総代130人中115人(委任状36)が出席。
04年度決算業績は、預金234億5196万円(前年同期比5・47%増)、貸出金175億6356万円(同0・56%減)で、預貸率は74・89%。自己資本比率は前年の8・58%から9・32%に改善された。純利益は9618万円。出資配当は3%。
姜理事長は「昨年は40周年の節目を迎え、記念商品のラインアップ化を充実させた。全員一丸となって取り組んだ結果、3%の配当を実施することができたのは組合員皆様のご協力のたまもの。ペイオフに関しても説明会を4回にわたり開催し理解を求めてきた。中小金融機関を取り巻く環境は厳しいものが予想され、さらなる健全経営と基盤強化を図っていきたい」と語った。
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信用組合岡山商銀
堅実経営で2%の配当
信用組合岡山商銀(本店・岡山市)は6月24日、本店で第43期通常総代会を開いた。総代105人中91人(委任状37)が出席。
04年度決算業績は、預金175億8960万円(前年同期比5・03%増)、貸出金127億5125万円(同1・84%増)で、預貸率は72・49%。自己資本比率は、資金増強運動の推進により前年の7・84%から8・31%に改善された。出資配当は2%。
李根善理事長は「預金キャンペーンは25億円の新規獲得など予想を上回る効果を上げ、小口化と利回り低下に寄与した。今年4月1日からのペイオフ完全実施を前に決済性普通預金や決済用総合口座の開設など準備に万全を期した。当期利益をもって損失を圧縮した結果、税引き後は3100万円の赤字となったが、経営基盤強化積立金5000万円を取り崩し、年2%の配当を実施した」と説明した。
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長崎商銀信用組合
自己資本比率7%台に
長崎商銀信用組合(本店・長崎市)は6月28日、長崎市内のホテルで第42期通常総代会を開いた。総代100人中72人(委任状34)が出席。
04年度決算業績は、預金69億7742万円(前年同期比9・44%増)、貸出金38億2772万円(同13・69%減)で、預貸率は54・87%。特別増資運動により2億6000万円増の出資総額8億8300万円となり、自己資本比率は7・45%に改善された。
趙鶴来理事長は「『スマイル定期』や『しあわせ定期』などキャンペーン商品の販売が功を奏し、預金額は前期比6億円の増加となった。しかし貸出金が減少したため、今後は融資増強の改善に努めたい。900万円の利益を計上したものの、貸倒引当金の追加などにより2億円の赤字決算となった」と述べた。
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佐賀商銀信用組合
員外預金の比率を是正
佐賀商銀信用組合(本店・佐賀市)は6月29日、佐賀市内で第28期通常総代会を開き、権龍水理事長を再選した。総代46人中24人(委任状5)が出席。
04年度決算業績は、預金14億8284万円(前年同期比11・36%減)、貸出金8億2317万円(同17・78%減)で、預貸率は55・5%。自己資本比率6・67%。6800万円の赤字。員外預金比率は前年の33・13%から21・95%に減少した。
権理事長は「厳しい経営状況の中で預金、貸出金とも減少した。業務純損失1200万円に加え、貸倒引当金の積み増し3900万円を合わせた純損失となった」とあいさつした。
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純利益20%増の54億円
近畿産業信用組合
近畿産業信用組合(本店・大阪市)は6月28日、京都市内のホテルで第52期通常総代会を開いた。総代328人中287人(委任状159)が出席した。
04年度決算業績は、預金5230億4900万円(前年同期比0・16%増)、貸出金3121億8700万円(同9・72%増)で、預貸率は59・67%。自己資本比率は8・42%。純利益が前年同期比20・13%増の54億6600万円を計上した。出資配当は2%。
八田富夫理事長は「1000万円以下の中・小口安定預金の獲得など大衆化キャンペーンの継続、決済用預金『ブロック』の販売などで預金高は前年をわずか上回ることができた。融資商品も各種ローンの販売が好評で貸出金は前年比9・72%も増加した。純利益は前年比20%を超す増加率で、前年同様2%の配当を実施できる」と説明した。
(2005.07.06 民団新聞)