掲載日 : [2005-07-27] 照会数 : 14240
民団兵庫の歴史教科書講座、大詰め
[ 多角的に教科書問題を論じる講座は好評だ ]
8月2日最終回…問題点の理解進む
民団兵庫は来年度の公立中学校教科書として、どのような教科書が出されているのか、「新しい歴史教科書をつくる会」がどのような教科書を作っているのか、検証するため6月から隔週火曜日に5回連続で『歴史教科書講座』を開催している。
これまで開催してきた講座は下表の通りだが、関心の高さを裏付けるように毎回、多くの団員、および一般市民が受講した。第1回目の講座は50余人、第2回目は90余人、第3回目は約100人、第4回目は50余人が参加する盛況を見せた。
受講した尼崎支部の陳龍珠副議長は「日本で教育を受けてきたが、学校で教えられた歴史に疑問を持ったことはなかった。今回改めて日本と韓国、東アジアの歴史を勉強しなおして驚いたことが多い」と語った。
また、日本人の松田妙子さん(漫画家)は「検定教科書の展示会に行ったが、扶桑社の教科書の異様さに驚いた。各講師の話を聞きながらしっかりしなくてはと思った」と感想を語り、右下のような4コマ漫画を寄せてくれた。
池田宣弘さん(自営業)は「前回までは『つくる会』の教科書の記述を史実に照らして検証したので問題点がよく分かった」などの感想を述べていた。
最終の第5回目は、大阪産業大学の藤永壮教授が「日本人研究者から見た歴史教科書問題」と題して8月2日(火)午後6時から民団本部会館で行う。多くの団員の受講を呼びかけている。
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日程
1. 6/7(火) 「歴史認識問題と民団の取り組み(中学校教科書の一斉採択に際し)」
講師=孫成吉・民団中央文教局長
2. 6/21(火) 「『新しい歴史教科書』のどこが問題なのか①(古代史篇)」
講師=鄭早苗・大谷大学教授
3. 7/5(火) 「『新しい歴史教科書』のどこが問題なのか②(近代史篇)」
講師=朴 一・大阪市立大学教授
4. 7/19(火) 「『新しい歴史教科書』のねらいとその背景について」
講師=曹壽隆・青年会中央本部会長
5. 8/2(火) 「日本人研究者から見た『歴史教科諸問題』」
講師=藤永壮(たけし)・大阪産業大学教授
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採択控え 各市教委へ要望
「歴史教科書連続講座」に並行して、県下各支部は精力的に各市教育委に「歪められた教科書を採択しないように」と要望活動を展開している。
4月26日の民団西宮支部による西宮市教委への要望活動を皮切りに、各支部の支団長が積極的に要望活動を行ったのは県下主要都市の市教委16カ所に及んでいる。
ほとんどが本団の要望に対して好意的な反応を見せているが、ある教育委員会では「日本の教科書に他の国の人が注文をつけるとは」などと、かなり高圧的な態度もあった。その市ではいまだに地方参政権意見書の採択をしないばかりか、市議会で「靖国参拝」賛成と、全国でも例のない決議をするなど異例の姿勢を見せている。
(2005.07.27 民団新聞)