掲載日 : [2005-10-19] 照会数 : 9064
韓国与党議長来日会見…民団の活動称える
[ 会見する文喜相ヨルリンウリ党議長 ]
「同胞の人権向上へ尽力」
韓国ヨルリンウリ党の文喜相議長は6日、日本記者クラブで韓日関係の現状と課題などについてスピーチした。羅鍾一大使ら韓国大使館の関係者や日本の記者、韓国特派員ら100余人が出席した。
文議長は両国の課題として、韓半島の平和と東北アジアの安寧秩序の確立をあげ、韓日の共同努力が不可欠との認識を示した。そのうえで、日本の国連常任理事国入りについて「信頼を得るには、過去の反省を明確に示さなければならない。真摯な反省が見られれば、韓国は日本の地位向上に最善を尽くしたい」と注文をつけた。
また、会場からの「在日100年と言われる。民団、総連についてどう見るか」との質問に、「総連のことは詳しくないが、民団はよく知っている。在日同胞の基本的人権向上のために最善を尽くしており、本国としても支援している。最近は総連とも交流し『ワンコリア』に努力していると聞いているが、今後とも民団が未来志向で発展していくことを期待している」と答えた。
■□■□■□
文喜相ウリ党議長の講演(要旨)
文喜相ウリ党議長が6日、日本記者クラブに招かれて行った基調スピーチの要旨を紹介する。
■□
東北アジアの平和確立へ 韓日の共同が不可欠
今年は韓日国交回復40周年、韓国が植民地支配を脱した光復60周年、そして韓日友情年という節目の年だ。
40年間の交流…飛躍的に発展
この60年で、韓国は外国の侵略から脱し、韓国戦争の傷跡を克服して世界に伍する国になった。日本も敗戦の痛手から立ち直り世界一流の経済大国になった。その日本国民の努力を称えたい。
この間、両国関係は飛躍的な発展を遂げた。韓国に入国する外国人のうち日本人が75年以降、40%台を維持し、日本を訪れる外国人のなかで韓国人の割合が28%で1位だ。
昨年は、日本人244万人が訪韓し、韓国人157万人が訪日した。毎日1万人以上が往来しているわけだ。文化面の交流も、「ヨン様」にとどまらない韓流ブームが一段と進んでいる。
このような両国の緊密化は、地理的に近いというだけでなく、民主主義と市場経済という価値観を共有しているからと考える。
ただ、課題も残っている。今般、私が来日したのは、その懸案を日本国民・日本政府と解決するためだ。韓半島の平和、東北アジアの安寧秩序を確立するには、韓日の共同努力が不可欠と考えるからだ。
9月の6者協議では、韓半島の非核化で合意し、北の核問題を解決する共通基盤ができあがった。今後は共同声明を具体化するロードマップ作りへ移るが、北の核問題解決への重要な里程標を打ち立てた意義は大きい。その過程で韓日両国はかつてない連携をしたが、今後も共同声明履行のため日本政府の積極協力を願いたい。
信頼獲得には真しな反省を
韓国政府とウリ党も朝日関係進展へ協力を惜しまないつもりだ。韓日米の連携が東北アジアの平和構築への核心であることを強調したい。
先頃、盧武鉉大統領が国連で述べたように、韓国は強大国と小さな国の共存が重要と考えている。国連常任理事国を目指す国は、過去への反省と未来への洞察が大事だ。日本が経済大国にふさわしい信頼を周辺国から得るには、過去の軍国主義への反省を明確に示さなければならない。日本政府の真摯な反省が見られれば、その地位向上に韓国は最善を尽くしたい。
11月に釜山でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれるが、この会議が成功するかどうかは、今後、韓日が東北アジアでのパートナーシップを推進できるかどうかを占うことにつながる。また、ウリ党は来年、アジアの政党会議を主催するが、日本の自民・公明・民主各党の参加がアジア全域の相互理解を進めるうえで不可欠と考える。私は韓日議員連盟会長として両国議会レベルでの信頼を高め、政府間関係の潤滑油を果たしたい。
今年の日本の総選挙、昨年の韓国の総選挙でともに多くの新人議員が生まれたが、新世代の議員たちは未来志向の韓日関係を培うことになろう。98年の韓日パートナーシップ宣言が今日の両国関係の飛躍をもたらし、03年の韓日共同声明も両国の進むべき方向を示した。これまでの60年の教訓を踏まえ、健全な歴史認識のもとに新たな60年への道を切り開いていく責務があると考える。
(2005.10.19 民団新聞)