掲載日 : [2006-02-01] 照会数 : 5112
チョゴリで無言の抗議 大阪地裁第1回弁論
【大阪】昨年1月、大阪市内で民間賃貸住宅の入居を拒否された弁護士で在日2世の康由美さんが家主と市の管理責任を訴えた入居差別裁判の第1回口頭弁論は1月24日、大阪地裁で開かれた。
康さんは赤いチマに黄色のチョゴリを身にまとい出廷。民族衣装を着ていったのは「民族性を理由にした差別事件だから、辱められてきた民族性を前面に押し出したい」という思いからだった。
法廷で康さんは「私は大学院生の時と今回の2回入居拒否にあっています。学生の時から17年間経っても日本社会はなにも変わっていないのに等しい。在日同胞がこの差別的な日常生活に希望を持てというほうが無理。社会正義と人権の擁護を職務とする弁護士として黙っているわけにはいかない」と述べ、「家主の責任と行政の責任を問うことで日本社会がより寛容で豊かな社会に変わる契機にしたい」と陳述した。
この日は限られた傍聴券を求め、地裁の前に長蛇の列ができた。抽選にもれ、入廷できなかった人も多く見られた。口頭弁論を終えた康さんは「わざわざ年休を取って参加した人もおり、勇気づけられた」と笑顔を見せていた。第2回口頭弁論は3月14日午前10時、同地裁第1006号法廷。
(2006.2.1 民団新聞)