掲載日 : [2006-03-15] 照会数 : 6388
国連人権委特別報告 NGO71団体が賛同
日本外務省に申し入れも
人種差別・外国人嫌悪などに関する国連特別報告者、ドゥドゥ・ディエン氏による日本公式訪問報告書の公表を受け、報告書の意義と価値を主張するNGOによる共同声明が7日、東京で発表された。署名は反差別国際運動日本委員会をはじめとする71団体の連名。
各NGOは同日、参議院議員会館で院内集会を開いた後、代表団が日本外務省を訪れ、日本政府が今後、国連に提出を予定している第3・4回人種差別撤廃条約報告書にディエン勧告の内容を忠実に反映するよう申し入れた。
ディエン氏が国連に提出した報告書について各NGOは「一部で理解が不十分であったり誤解に基づくと思われる点はあるにしても、日本における人種主義・人種差別・外国人嫌悪の問題を法的側面にとどまらず、社会的・歴史的文脈にまで踏み込んで包括的にとらえた初めての国連文書」と一定の評価をしている。
ディエン氏は国連人権委員会の任命を受けて7月3日から11日まで日本を公式訪問。政府関係者やNGOから聞き取り調査を行った結果、日本における人種差別と外国人嫌悪の存在を正式に認定した。日本政府にも人種差別の存在を公式に認めてそれを撤廃する政治的意思を表明するよう勧告していた。
13日からジュネーブで始まった国連人権委員会でディエン報告が取りあげられた場合には「インター・アクティブ・ダイアログ」が開かれ、日本を含む各国政府との間でやりとりが行われる。
(2006.3.15 民団新聞)