掲載日 : [2006-07-05] 照会数 : 7956
<婦人会京都・丹波支部>オモニのへそくり団員の子女に還元
【京都】婦人会京都・丹波支部(李春玉会長)は、今年度から管内の団員世帯および婦人会員家庭を対象に中・高校生子弟の学費の一部を補助する事業をスタートさせた。金額はわずかだが、団員世帯には婦人会支部の存在がぐっと身近になるものと期待されている。民団支部としてもバックアップを約束している。
剰余金をもとに学費の一部補助
「運営規定」によれば中・高校生を抱える団員家庭であれば、国籍は問わない。支給金額は20歳から69歳までの団費納入義務を負う対象者が1家庭に2人以上いる世帯であれば、該当者の数にかかわらず一律2万円。婦人会会員世帯には会員の孫の世代までを含め、対象者が2人以上いることを条件に一律1万円。母子、父子、祖父、祖母だけの不遇家庭については無条件に2万円を補助するとしている。
原資としたのは1世オモニが親睦頼母子会を開くことでコツコツ貯めてきた基本財政。同支部の頼母子会では利息を取らず、下ろす人は代わりに親睦会の食事代を持つ。この食事代の残りを剰余金に回してきた。この剰余金は20年ほど前は約80万円ほどだったが、2世の代になってから230万円にまで増やした。この中には婦人会支部が地域の国際交流祭に模擬店を出し、キムチやチヂミを売った収益も含まれている。
悩みの種は3世世代以降の会員が現在の婦人会支部には皆無なこと。今回の学費一部補助は次世代の「ヤングお母さん」たちに婦人会の将来を託したいとの切なる願いもあるようだ。
今年度第一回の支給は6月25日、婦人会同支部総会の席上、申請のあった11世帯すべてに支給した。内訳は団員の子女8人と婦人会員の孫3人で総額は19万円だった。同支部では「学費の一部補助は婦人会が常々念願としてきたこと。ささやかな金額だが、お母さんがたがこれまで頑張ってきた証しとして受け取ってほしい」と話している。
この日、出席した父母・生徒の多くは民団会館に足を運んだのは初めての経験だったという。多少緊張した面持ちだったが、婦人会役員と懇談していくなか,ようやくくつろいだ表情を浮かべていた。
来賓として出席した民団丹波支部の崔修支団長は今回の婦人会の取り組みを「すばらしい事業」と高く評価、来年度からは民団財政からも資金参加することで共催していきたい考えだ。
崔支団長は「丹波は広域で同胞分散の過疎地域。団費収入も漸減している。こんなときだからこそ婦人会の取り組みは組織をアピールする格好の起爆剤になるだろう。末永く続けてほしい」とエールを送っている。
(2006.7.5 民団新聞)