掲載日 : [2006-09-06] 照会数 : 6905
釜山市・下関市 姉妹都市提携から30周年
[ 江島潔・下関市長(左)と「信書」を交わす釜山市代表の全富寛さん ]
朝鮮通信使が祝賀
【山口】下関の夏を締めくくる「第29回馬関まつり」が8月19・20の両日、市内中心部の7会場で開かれた。下関市と姉妹都市関係を結んで今年で30周年という節目を迎える釜山広域市からも「朝鮮通信使」一行が上陸し、日本人市民と一緒になって当時の行列を再現して沿道の市民から大きな拍手を浴びた。
善隣友好の誓い新たに
「朝鮮通信使」はまつりのハイライトとしていまや欠かすことのできない存在。地元の有志で行列振興会を自発的に結成し、02年から再現してきた。今年で5回目。
韓国側からは釜山市立芸術団と吹打隊役の釜山情報女子高校生ら142人が訪日。ここに公募で選ばれた両市の一般市民も参加し、総勢200人で行列を再現した。8月19日は台風10号の影響でコースを約半分程度の1㌔に短縮したものの、沿道は観覧する市民でにぎわいを見せた。
沿道では婦人会下関支部(朴文子会長)が今年も韓国総菜店を出した。出店は16年前から続く。これまで婦人会は焼き肉やチヂミを売り、バザーも開いてきた。なかでもいちばんの人気は1枚200円のチヂミ。朴会長は「地域に在日韓国人が一緒に住んで活動していることを知ってほしい」と話す。
50代のある男性は「こんな善隣交流の歴史が実際にあったんだと実感でき、感動した」と話していた。初めて見たという若い男女も「よかった。来年も見に来たい」と笑顔で語った。
イベント会場の同市豊前の海峡ゆめ広場では、釜山から許南植市長に代わって正使を務めた国際関係諮問大使の全富寛さんと毛利藩主役の江島潔下関市長がお互いの「信書」を読み上げ、交換した。信書では双方とも30年間にわたる友情を再確認し、さらなる友好交流を誓い合った。
夕方から海峡メッセで行われた姉妹都市30周年記念式典には民団山口県本部から李相福団長、同下関支部から金龍一支団長ら多数が参加した。
記念プレート設置
唐戸市場
釜山市と下関市の姉妹都市30周年を記念、御影石のプレートが唐戸市場横の姉妹都市広場に設置された。プレートは横90㌢、縦42㌢、幅12㌢。両国の国旗とともに「永遠に日韓の友情の架け橋として」の文字が刻まれている。
下関市は釜山市のほか青島(中国)、イスタンブール(トルコ)、サントス(ブラジル)、ピッツバーグ(米国)と姉妹提携を結んでいるが、友好プレートが設置されたのは釜山市が初めて。
釜山と下関市
釜山市と下関市は70年の釜関フェリー就航が契機となり、経済、産業、文化、スポーツなどで民間交流を深めてきた。親善交流の高まりを受けて76年10月11日、姉妹盟約に調印し、姉妹都市縁組が実現した。その後もさまざまな分野で姉妹・友好の盟約を結ぶ団体が増え現在は30を超す。71年から両都市間で毎年交互に開催されている関釜親善スポーツ大会は映画「チルソクの夏」の舞台ともなった。
(2006.9.6 民団新聞)