掲載日 : [2006-09-13] 照会数 : 6908
大四日市祭 塩浜小農楽隊に拍手 民団三重が後押し
【三重】民団三重県本部は四日市の夏を彩る「大四日市まつり」に昨年に続いて四日市市立塩浜小学校の児童22人で編成する「大農楽隊」を送り出し、喝采を博した。大農楽隊は8月、「KAI‐KOU(邂逅)」と呼ばれる同祭りのハイライトシーンで躍動感あふれる演技を披露した。観衆に聞くと、塩浜小の農楽を楽しみに来たという人も多く見られた。
大農楽隊の生みの親は韓久さん(民団三重県本部事務局長)。18年前の青年会三重県本部会長当時、韓さんは知り合いの同校教師から「在日の生徒たちに何か自信がもてる自分たちの文化を教えてあげてほしい」との相談を受けた。その年の運動会に向け、4年生以上を対象に農楽隊を構成した。
塩浜地区は零細な工場が多く、当時も在日同胞家屋が集中していた。同校には80人と多数の児童が在籍、在日と日本人の児童の間でちょっとした行き違いからいさかいが絶えることはなかった。韓さんは児童が民族の文化にふれることで胸を張って生きていくきっかけになればと在日児童12人で農楽隊を発足させたのが始まりだった。
同校卒業生で塩浜中学校1年生の山口真実さんは「塩浜小で4年間プンムル隊にいた。ケンカしたこともあったけど、農楽を通してみんなが一つになったとき、なんともいえない幸せを感じた」と当時を振り返った。
(2006.9.13 民団新聞)