掲載日 : [2006-10-25] 照会数 : 5436
徴用同胞遺骨奉還へ 民団と総連有志で合意 静岡・清水
【静岡】解放前後に旧清水市内で不慮の死を遂げひっそりと清水区北矢部にある「朝鮮人無縁納骨堂」で眠る93人分の遺骨を祖国に奉還しようと民団清水支部(具龍書支団長)が奔走している。
かつて遺骨は火葬場の山の斜面に建てられた旧納骨堂に納めてあった。旧納骨堂は年月の経過とともに扉が湿気で腐り、骨壺用の台も朽ち果てるほどだった。見かねた当時の民団と総連両支部が市に新築を要請し、遺骨を現在の場所に移した。以来22年間、両支部が共同で管理し、秋夕の前後には慰霊祭も合同で行ってきた。
遺骨の祖国奉還の動きはこれまでもあったが、「統一するまで手をつけられない」とする総連側の主張に民団側が配慮を示してきた。だが、韓日首脳会談で韓半島出身者の遺骨返還で合意したことから、民団清水支部としても具支団長が根気強く総連側を説得し、昨年から民団支部独自に韓国国内の遺族捜しにあたってきた。
93人分の遺骨のうち氏名があるのは30体。本籍があっても郡までしか分からないため、民団側の遺族捜しは困難を極めている。遺骨は韓日両国政府の現地調査を経て近く「望郷の丘」に奉還される見通しだ。
(2006.10.25 民団新聞)