掲載日 : [2006-11-15] 照会数 : 5558
アジアを鉄道で結ぶ 釜山も起点に4路線確定
[ 38度線付近の都羅山駅。アジア横断鉄道が走る日を待つ ]
ESCAP25カ国が締結
アジアを鉄道で結ぶ−−国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP、金学洙事務総長)加盟25カ国は10日、釜山で「アジア横断鉄道建設のための政府間協定」を締結した。確定した4路線の総延長距離は8万1000㌔に及ぶ。〈一つのアジア〉実現に向けて大きく一歩を踏み出した。
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推進役は金学洙事務総長
〈鉄のシルクロード〉と呼ばれる「アジア横断鉄道」(TAR=Trans Asian Railway Network)に関する会議は6日から開かれた。
今回調印したのは、当事国28カ国のうち北韓、バングラデシュなど3カ国を除いた韓国、中国、ロシア、インド、イランなど25カ国。不参加の3カ国も同協定には同意している。
会議では、横断鉄道の北部・南部・南北・アセアンの4路線が確定した。北部ルートは釜山と上海を起点に北京〜ウランバートル〜ウランウデ〜ノボシビルスク〜モスクワ〜サンクトペテルブルグ〜ブスロフスカヤを結ぶ。
南部ルートは、香港から昆明〜ダッカ〜ニューデリー〜テヘラン〜アンカラを経てイズミルに到る。南北ルートは、モスクワと中央アジア、ペルシア湾地域を連絡する。アセアンルートは、シンガポール〜クアラルンプール〜バンコク〜ホーチミン〜昆明へと東南アジア地域を結ぶ。
これら4路線の総延長距離は8万1000㌔に達する。協定にはこの4ルートや鉄道車両の積載規格、コンテナターミナルの基準など17条項が記された。
2000年にESCAP事務総長に就任した金学洙事務総長は07年の任期を前に協定締結を実現しようと全力で取り組んできた。「過去約40年間にわたって推進されてきたアジア横断鉄道事業計画がついに政府間協定の調印という転機を迎えた。今回の締結によりアジア太平洋地域の社会・経済的発展ための国際物流運送システムを実現するうえで大きな一歩を踏み出したと言える」と意義について語っている。
今後は、▽国境通過手続きの簡素化▽鉄道料金など運行条件▽国家間の鉄道連結−−などについて合意を図っていく。
(2006.11.15 民団新聞)