掲載日 : [2007-01-31] 照会数 : 6778
在外被爆者の健康管理手当 「時効」論に終止符
最高裁判決 原告勝訴確定へ
在外被爆者への健康管理手当支給をめぐって自治体の主張する「時効」が認められるか否か、下級審で判断が分かれていた裁判で最高裁第3小法廷(藤田宙靖裁判長)は2月6日、被爆者勝訴の判決を示す見通しとなった。
判決が確定すれば広島で被爆した3人の在ブラジル被爆者が広島県に請求していた未払い金約290万円の受給が認められ、福岡高裁で逆転敗訴した在韓の崔季氏の判例についても見直される公算が大きい。
在外被爆者への被爆者援護法に基づく健康管理手当は日本に現在居住していることが要件となっていたが、在韓被爆者の郭貴勲裁判で大阪地裁・同高裁は日本を離れても被爆者たる地位を失わないとの判決を示していた。
広島県はこの判決に従い在ブラジル被爆者3人に時効にかからない過去5年分を支払ったが、時効分約290万円については支払わなかった。広島高裁はこれについて違法と判断したため、県が最高裁に上訴していた。
在外被爆者問題に詳しい評論家の中嶋竜美さんは「勝ち方が問題だ。旧厚生省の402号通達を明確に違法だったと判断するのかどうか、そこに注目している」と話している。
(2007.1.31 民団新聞)