掲載日 : [2007-02-07] 照会数 : 8447
魅惑の韓国伝統文化 横浜のそごう美術館で開催中
[ 色鮮やかなポジャギを観る人たち ]
[ 講演をした許東華館長 ]
古刺繍とポジャギ展
「母親の愛情を表現」
「韓国古刺繍とポジャギ展」が1日から、横浜市のそごう美術館(そごう横浜店6階)で開かれている。今展では、1976年に許東華氏が私財を投じてソウル市に設立した韓国刺繍博物館所蔵の朝鮮朝時代のポジャギ作品、刺繍屏風、衣裳など200点以上を展示している。
許館長が韓国の伝統刺繍やポジャギの蒐集を始めたのは、博物館設立の10数年前から。韓国に現存する最古の刺繍屏風「刺繍四季盆景図」(13、14世紀、宝物653号)をはじめ、16世紀に宮廷で使用された座布団、18世紀ころの仏教刺繍の袈裟、装身具などといった朝鮮朝時代の生活刺繍作品3000点を所蔵している。
海外での展覧会は78年の日本を皮切りに、これまでヨーロッパ、米国、オセアニア地域などで開き、韓国伝統文化の美を紹介してきた。日本でも数年前から、自身で制作する人たちや、作品を買い求める人たちが増えている。
初日に行われた許館長の記念講演会では、日本の手芸作家や染色作家をはじめとする女性参加者に交じって、男性の姿も見られるなど、ポジャギに対する関心の高さをうかがわせた。
許館長は「韓国女性文化の美」をテーマに、当時の女性たちの役割に触れながら、ポジャギには「家族を不幸から守るという母親の愛情が表現されている」と指摘。また刺繍を施した絵柄の豊かな想像力について「女性たちは偉大な芸術家で科学者」だという話に、参加者たちは熱心に耳を傾けていた。
また会場は来場者たちでにぎわい、展示された作品一つひとつを丹念に鑑賞していた。
「韓国古刺繍とポジャギ展」は25日まで。開館10〜20時(最終日17時閉館)。入館料大人900円ほか。問い合わせはそごう美術館(℡045・465・5515)。
(2007.2.7 民団新聞)