掲載日 : [2007-02-28] 照会数 : 8289
篠山市と韓半島とのかかわり 知られざる歴史発掘
『デカンショのまちのアリラン』
同胞市民グループが2年半かけ出版
【兵庫】デカンショ節の発祥地、丹波ささやまに記された韓国・朝鮮人の足跡を丹念に掘り起こした調査報告集『デカンショのまちのアリラン』(篠山市人権・同和教育研究協議会編、B5判174㌻)がこのほど、神戸新聞総合出版センターから発刊された。
篠山市人権・同和教育研究協議会から委嘱を受けた在日同胞と日本人の教職員、研究者、ジャーナリスト11人が調査・研究チームを組み、2年半かけてまとめた労作だ。篠山市が古代から韓半島と密接な関わりがあったこと。さらに近現代に入ってからも在日同胞が篠山市の発展のため、人知れず貢献してきたことがあらためてよくわかる。
在日同胞は第2次大戦中、劣悪な環境のもと、多大な犠牲をはらいながら丹波珪石とマンガンの採掘に関わった。丹波珪石が日本の鉄鋼業の発展を支え、さらにマンガンは大砲の砲身や銃身用に使われたことを知る市民はいまや少ない。
それだけに、本書が在日韓国人への偏見のない歴史理解(教育)を進める視点から、市民学習の教材として活用されることが期待されている。
2000円(税別)。℡・FAX079・593・1260。
(2007.2.28 民団新聞)