掲載日 : [2007-02-28] 照会数 : 7986
韓国人犠牲者無名墓に墓標 幡多高校生ゼミナール
次大戦中、ダムで強制労働
【高知】第2次大戦中、高知県幡多郡大正町の津賀ダム建設工事に関わった韓国人労働者について、独自に聞き取り調査を続けている地元高校生の自主サークル「幡多高校生ゼミナール」はこのほど、韓国人犠牲者のものではないかとされる無名墓を突きとめ、墓標を建てて供養した。今後は遺骨返還に向けた取り組みにも意欲を燃やしている。
発端は同町昭和地区在住の清水重隆さん(75)の証言により、無名墓で知られる墓地山に「3人の朝鮮人労働者が埋葬された」ということがわかったため。また、ダム工事現場の河原近くの建物には当時、韓国人労働者が住み、脱走を取り締まる監視小屋もあったという証言も得た。
当日は釜山の高校生ら16人と同ゼミ生24人の計40人が清水さんとともに墓地山へ入り、ゼミ生たちが作った「津賀ダム朝鮮人労働者犠牲者の碑」と書かれた高さ1・5㍍の木の墓標を建て、花をたむけた。
ゼミのメンバー、瀧本未来さん(宿毛工業高校2年)は「こんな山奥に誰にも知られず埋葬されて、さぞかし寂しかっただろうと思う。供養できてよかった」と目に涙を浮かべていた。岡村果歩さん(宿毛高校1年)は「貴重な体験をした。安らかに眠ってほしい」と語った。
また釜山の高校生たちも「日本の高校生たちと一緒に供養できたことに意義がある」と話していた。
(2007.2.28 民団新聞)