掲載日 : [2007-04-04] 照会数 : 6939
国際理解教育推進へ民族講師を直接雇用 大阪市教委
在日外国人教育底上げめざす
【大阪】大阪市教育委員会(永田子教育長)は3月24日、大阪市内の小中学校で民族学級の指導にあたっている17人の民族講師を直接雇用すると民団大阪府本部(金漢翊団長)に回答した。
17人の民族講師はこれまで、市内の校長らで構成する「民族クラブ技術指導者招聘事業実行委員会」から業務委託を受けるという形で民族学級の指導にあたってきた。しかし、正式採用された結果、身分がこれまでより安定し、市教委から「国際理解教育推進非常勤嘱託職員」としての取り扱いを受ける。
これにともない、市教委では「民族クラブ技術者招聘事業」を発展的に解消し、新渡日も含めた在日同胞教育の全体的な底上げを図っていく。具体的には在日と新渡日の子どもたちの教育とを縦割りで分けていたものを、新たに発足させた「国際理解教育推進事業」に一括した。
民団大阪本部では「正式雇用はよかったと言いたいが、常勤講師の報酬に近づけるよう今後さらに努力をしてもらいたい」(金秀事務局長)と市教委に釘を刺した。 一方、市に民族学級の制度保障を求めてきた大阪市民族講師会は一定の評価を与えている。
まず、新規事業であることから今後、民族講師拡充の可能性が生まれたこと、また、教育課程内の業務を民族講師の役割に位置づけたことで、専門化と事業充実化への端緒になるのではと話している。
大阪市内の小中学校で実施されている民族学級は全部で103校。このうち、大阪府による常勤民族講師措置校を「民族学級」と呼び、大阪市の制度に基づくものを「民族クラブ」と区分しているが、一括して「民族学級」として総称することも多い。
(2007.4.4 民団新聞)