掲載日 : [2007-04-11] 照会数 : 9960
大阪に韓国の大学分校 在日同胞資本の順天青厳大
[ 大阪研修院の開院式(大阪市住吉区) ]
日本語研修のほか在日史も
【大阪】韓国順天青厳大学(姜吉泰学長、全羅南道順天市)の分校「大阪研修院」が3日、大阪市住吉区に開院した。韓国国内の学生に日本で就職できるだけの語学力や文化を身につけさせるのが主たる目的だが、韓国への留学を志す在日同胞にも語学力を養成する場となることが期待されている。日本の企業、在日団体が学生たちの研修生活をサポートしていく。
韓国の大学が日本に研修院を開設したのはこれが初めて。長居公園近くの4階建てビルが校舎となっている。3教室、1事務室と30人収容の学生宿舎からなる。全体で282・6平方㍍(約90坪)。最大で30人程度が授業を受け、生活できる施設だ。この日から「日本で学びたい、日本の企業に就職したい」という来年2月に卒業を控えた学生9人が研修生活に入った。
日本での基本研修プログラムは4月からの16週間。まず、日本語研修や異文化体験から始まり、最後は日本企業で実習を行う。研修にあたっては日本の企業関係者ばかりか、在日同胞団体も講師として関わっている。
社団法人大阪国際理解教育研究センター(鄭早苗理事長)は毎週月・火曜日の週2日間、日本語の授業とビジネス会話を担当。さらには生野区のコリアタウンを舞台に在日韓国人の歴史を学ぶフィールドワークも計画している。
大阪研修院では一方で在日同胞とその家族、および日本人のためのハングル文化教室の開講も計画している。民団大阪本部では「在日同胞が本国に留学するのか、研修院で語学に磨きをかけるのか。選択肢の一つになるだろう」(鄭炳采文教部長)と期待している。
同大学の前身は54年設立の順天看護高等技術学校。順天専門大学を経て98年、現在の校名になった短期大学。もともとは在日の資本でつくられた大学だ。近年は国際的に活躍できる人材の養成をめざし、日本語教育にも力を入れている。
(2007.4.11 民団新聞)