掲載日 : [2007-06-13] 照会数 : 5732
民団がより身近に 「無窮花サービス」広がる反響
[ 無窮花サービスを紹介するパンフ ]
【神奈川】民団中央本部に事業局が新設され、全国的に収益事業への関心が高まっているなか、団員の生活に密着した「役立つサービス」を提供しようという民団神奈川県本部(殷鍾七団長)の「無窮花サービス」に、全国の団員から照会が相次いでいる。きっかけとなったのは「民団新聞」の一連の報道だった。同本部では「思った以上の反響」と驚いている。
「生活に密着」人気全国区に
「民団でこんなことを始めたんだ。団費を取られるだけで、なにもしてくれないと思っていた。大変いいことだ」「こうした生活に密着したサービスは、団員から団費をもらうためのいい殺し文句になる。遅きに失した感は否めないが、必要があればぜひ利用したい」。
これらは民団神奈川県本部「無窮花サービス」事務局に寄せられた声の一部だ。事務局では「団員が求めていることは、日常生活をより豊かに、便利にしたいということ。これからもより多くの人々のニーズに応えていきたい。それが民団の存在証明となるから」と表情を引き締めた。
無窮花サービスは県内を対象とした葬祭サービスからスタート。いざ、団員家庭に不幸があれば実務者が真っ先に駆けつけ、民団と提携している葬儀場につなぎ、細々とした世話にあたった。これは民団が本来やってきたことだけに「いちばんやりやすかった」(安亨均事務局長)という。
数年前からは法律・結婚・行政・税務について相談にのる無窮花アシスタントを始めた。相談内容を吟味し、必要とあれば専門家にアドバイスを請い、1つずつ解決にあたってきた。「丸投げ」するのではないため始めから相談者に金銭的な負担がかかるようなことはない。逆に実務者自身は成長した。担当の呉吉明組織部長は「弁護士や税理士らと一緒になって勉強してきた」と話す。いまでは民団の窓口で解決する案件も増えている。
今年になって下宿・住居探しを含む韓国での不動産関連事業が新たなアイテムとして加わってから人気は、神奈川県内から全国区に広がった。
韓国国内の土地を相続したいと相談を寄せた滋賀県内のある同胞は「どんな書類をどこに出せばよいのか、実務上の話が役に立った。団員のかゆいところに手が届くサービスをしている」と感激していた。また、ある物件を紹介してもらったという神奈川県内の在日1世は「もっと早くからこうしたサービスがあれば、私たちのように韓国で商売しようとした者が大変助かったであろうに」とつぶやいた。
民団宮城県本部の金東暎副団長(国際行政書士)は「今後、不動産関連については民団神奈川にお任せしたい。やはり、本国の担当者と十分なコミュニケーションがとれないと、団員の要望に応えることができないから」と話している。
事務局では全国の民団に無窮花事業の資料、ノウハウを提供している。問い合わせは℡045・316・0508。
■□
無窮花事業とは
民団神奈川県本部が98年からスタートさせた団員サービスの総称。冠婚葬祭から始まり、専門家と提携しての各種生活相談(法律・結婚・行政・税務)、最近では下宿・住居探し・不動産売買・送金・管理といった韓国内不動産関連事業へと、各種アイテムの開発・拡充に努めてきた。葬儀は業者と提携し、神奈川と都区内は斎場の紹介から葬儀施行まで安価で請け負う。寿衣・葬祭服も販売している。婚礼は横浜市内の提携ホテルを利用すると最大50%の割引だ。民族衣装の貸し出しサービスもある。生活相談は30分を基本に無料。弁護士への相談が必要な際にも1万円と割安だ。韓国のアパマンショップコリアと提携しての不動産関連事業は全国各地から相談が寄せられている。このほか、企業の韓国進出の相談にも乗っている。
(2007.6.13 民団新聞)