掲載日 : [2003-02-05] 照会数 : 3907
在日による拉致家族支援集会 石高健次(朝日報道プロデューサー)
2月15日大阪で横田めぐみさん、有本恵子さんの両親を招いて在日コリアンが主催する拉致完全解決、家族支援の集会が開かれる。これには総連の分会役員も出席するが、このような集会は初めてだろう。
主催者の一人で民族活動をしている「高槻むくげの会」の李敬宰代表とは長い付き合いで、昨秋以降「拉致解決のために動きたい」との話があり、私が家族との間に入る形で実現の運びとなった。
金正日が拉致事件を認め謝罪したことで、在日のなかには複雑な感情を持つ人は多いのではないか。李氏は、かつて日本の植民地支配の被害者であった朝鮮民族が今度は日本人に対する加害者の立場となった。痛みを知る者として拉致解決に動きたいと言う。
拉致問題を長年取材し被害者家族会の立ち上げに参加した私としては、「よくぞ言ってくれた」という思いだ。
実は、集会を前に家族会の周辺から「総連の人が出る集会に参加して大丈夫ですか?」という声が出ている。横田さんらが逆に追求されたり政治的に利用されたりしないかという心配だ。私はこう答えている。
〞北朝鮮盲従路線〟から脱して、日本で生きる自分たちのアイデンティティを確立しつつ日本社会にも貢献しながら共に歩もうとする総連内部の人は少なくないはずだ。彼らにこそ、北朝鮮の人権抑圧体制を打ち破り拉致問題解決の力となってもらいたい、と。
今、総連役員がそうした集会に出ることは、それ自体が〞総連変革〟の兆しだと思っている。支援集会:072-671-1239
(2003.02.05 民団新聞)