掲載日 : [2007-07-04] 照会数 : 6393
<鳥取県琴浦町>「東海」表記削除、民団が厳重抗議
民団中国地方協議会
江原道交流記念碑説明碑文再々修正
【鳥取】日韓友好交流公園「風の丘」の韓国江原道交流記念碑説明碑文の「日本海(東海)」から(東海)の文字を削除した地元琴浦町が、碑文について民団鳥取県本部(薛幸夫団長)の求めていた原状回復はおろか、さらに後退した「再々修正案」を町議会に提出し了承されていたことがこのほど明らかになった。
「再々修正案」ではハングル碑文にあった「東海(日本海)」の表記部分が「嵐」に替えられたのに対し、日本語碑文の「日本海」は現状どおりだ。民団側の抗議を受けて琴浦町が5月20日に示した「再修正案」では日本語碑文を「日本海」とし、ハングル碑文は「東海」とするものだった。今回は両碑文から東海の2文字が完全に消え去ったことで、「修正」とはさらにほど遠い内容となった。
事態を重く見た民団中国地協では6月27日、急きょ5県地方本部団長らが琴浦町役場を訪れ、「呼称問題は政府間の懸案事項であって、地域交流の現場に持ち込むのはなじまない。その違いを認め合う気持ちのほうが大事。まずもって原状回復を」と再抗議した。
これに対して病気療養中の田中満雄町長に代わって応対した町長職務代理者の山下一郎副町長は「『町民の安全・安心』を最優先し、苦渋の選択として議会全員協議会で再々修正案をまとめたのでご理解いただきたい」と述べ、変更の考えがないことを明らかにした。
碑文から東海削除が明らかになったのは5月9日のこと。民団鳥取県本部から抗議を受けた琴浦町の田中満雄町長は、翌日には民団を訪れて陳謝し、善後策を講じると約束していた。
6月には碑文建立当時の中井勲元町長も原型復元を求める建議書を提出した。また、町議会議員からは原状回復をめぐって賛否両論が出ていた。
不当な抗議に屈服 民団鳥取県本部の金泰鎮事務局長の話
「町民の安全・安心」ではなく「町長・議長をはじめ町職員の安全・安心」のための再々修正案に思えてなりません。
町民に聞くと「街宣活動は生活に支障を来すほどでもない」「町役場には多くの抗議・メールがあり、そのため町長と担当課長が休職・療養することになったのではないですか」というのです。
一部右翼団体の不当とも思える抗議活動に屈して再々修正案をまとめたのではないでしょうか。もちろん、町職員の安全・安心は当然でありますが……。
(2007.7.4 民団新聞)