夢実現へ共に進もう
今年も各地で同胞新成人のための式典が行われる。昨年、中央本部結成30周年を終え意気あがる青年会の中央会長から新成人へのメッセージがよせられた。
青年の使命と特権
本年、新成人を迎えられた皆様、おめでとうございます。
皆さんの本日の喜びは、ご家族の温かい愛情と、これまで皆さんをご指導くださった諸先生方、さらには友人をはじめとする多くの方々のおかげであります。お世話になった方々への感謝の気持ちを忘れずにいて頂きたいと願います。
さて、昨年は私たち在日本大韓民国青年会が結成されてから30年目の、大きな節目の年でありました。皆さんにとっての今日までの20年が、人間形成において重要な歳月であったのと同様に、青年会にとっての30年は、常に青年たちの心に寄り添い、社会の中でのあり様を模索してきた30年間でありました。
また、組織における30年は、一世代の区切りであるとともに、大きな世代交代でもありました。偉大な先人たちが築き上げてこられた歴史の上に、現在の私たちの生の営みが存在することを認識し、これまでの歴史性と価値観を継承・発展させていくことが私たち青年世代に与えられた使命であり、特権であるのだと思います。
30年の歩みを経て、昨年青年会が掲げたのは、「新しい価値観」の創出と青年ネットワークの再構築でありました。全国民団本部を訪問しながら、1000世帯を超える在日同胞青年を戸別訪問し対話を重ねていきました。9月には、結成30周年記念事業として「2007青年ジャンボリー」を開催しました。全国青年会が一丸となって取り組み、実に全国39地方本部から571名の在日同胞青年が祖国韓国に集いました。予想を超える青年たちの結集をみた「2007青年ジャンボリー」を盛大に終えた今、いつの時代も、それまで継承されてきたものを大事にしながら常に新しいものを生み出していくのは、私たち若い世代の持つエネルギーであるのだと実感しています。
新たに成人となる皆さんは、人生における大きな節目を迎えます。自身の学業・就業にまい進しながら、友人・家族・結婚など青年時代ならではの悩みや喜びに直面します。時には、これまでよりもさらに苦しい辛抱や挫折を経験するのだと思います。それを乗り越えたときの成功や成長はまさに、人生の大きな喜びであるのだと思います。
そして、名実ともに大人の仲間入りをされた皆さんは、もうひとつ大きな責任を果たしていかなければなりません。
それは社会に目を向け未来を作っていくことです。
現代社会は、日々目まぐるしく変貌を遂げています。文化や価値観の多様化、科学技術の発展、産業や経済の進展は未来を明るく照らします。それとは裏腹に、社会の倫理観の崩壊も叫ばれています。昨年末、清水寺で日本漢字能力検定協会が全国から公募する一年の世相を表す「今年の漢字」を「偽」と発表しました。
大いに特性発揮を
人の持つ欲望に翻弄され自己中心性に起因する様々な社会問題は平和、人権、環境など多岐にわたります。尊い命が奪われてしまうような凄惨な事件・事故も日々報道を通して私たちの耳目に入り胸を痛めます。
こうした混沌とした時代にこそ、私たちは自己の立ち位置をしっかりと捉え、夢を抱き、その実現に向けて日々自己研さんしていくことが重要なのだと思います。
そして、社会性、国際性を身につけ、個々の自覚と、しっかりと問題意識を持って社会を見据える目を養うことが必要です。
青年会は、在日同胞青年にとって、自己研さんの場所であるとともに、社会と向き合う活動を通じて、青年たちの連帯を築いていく場でありたいと考えています。
在日同胞社会にあって、常に光り輝く未来への希望でありたいと願う私たち青年会で、皆さんも大いに力を発揮して頂きたいと願います。
全国各地の主な成人式
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(2008.1.1 民団新聞)