男性でもできる創作3品
夏のスタミナ保持に欠かせないのが韓国料理。焼肉や参鶏湯(サムゲタン)は定番だが、家庭でもっと手軽に、男性でも時間をかけずに作ることのできる愛情たっぷりオリジナル韓国料理3品を、横浜中華街にある韓国料理と伝統茶の店「横濱茶花咲」オーナーの李英淑さんに紹介してもらった。夏バテを解消し、食欲を増進させる効果もあり、ビールとの相性もいい。ぜひ、お試しを。
なじみの具材使った手軽な料理
李英淑さん考案の「スタミナモリモリ素麺〜おもてなし風〜」「トウモロコシの煎」「薬膳スイーツ〜朝鮮人参茶ゼリー」は、自宅でもよく作る3品とか。
「スタミナモリモリ素麺」は具材もたっぷりで、この一皿だけでおなかも満腹になる。ボリュームはあるが、野菜をたっぷり使っているのでとてもヘルシー。おなか周りの気になる方も安心して食べられるのが嬉しい。
ミネラルやビタミンが多く含まれるトウモロコシを使った「花柄のトウモロコシ煎」は、大人から子どもまで好まれる1品。トウモロコシの甘さと酢醤油のさっぱり感が絶妙だ。この料理は李さんが、夏の盛りに店頭に並んでいた色鮮やかなトウモロコシを見て考えついたもので、少し、手間暇をかけただけで、おしゃれなトウモロコシ料理が完成した。
李さんが初めて作って食べたとき、「美味しい」と感激したのが、「薬膳スイーツ」。ソースに用いた練乳のほのかな甘さが朝鮮人参の苦味を包み込み、深い味を引き出している。これまで食したことのない味に惹きつけられる。
料理を盛りつける食器にもこだわる李さんは、「器も料理も一つ。今回は清涼感にこだわって盛りつけました」と話す。
さらに、「美しいものにはパワーがあると思っています。それは景色でも絵画でも人でもそうです。私は自分の料理を食べて下さる方に、元気になるパワーを届けたいので料理は綺麗に、そして食器選びにも気を配ります。日本にはない、韓国の崇高で美しい文化を料理で表現して、韓国食文化の素晴らしさを伝えたい」ともてなしの心を説明してくれた。
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スタミナモリモリ素麺〜おもてなし風〜
【材料】(4人分)
素麺 8束
キュウリ 2本
牛肉小間切れ 280㌘
ナス 3本
卵 4個
韓国海苔 適量
えごまの葉 適量
キムチ 適量
季節のフルーツ
【調味料】(牛肉・ナス)
醤油 大3
梨のすり下ろし 大4
砂糖 大1
タマネギのすりおろし 大1
ニンニクのすりおろし 小2
コショウ 少々
ごま油 大2
【素麺タレ】(800㏄)
ミョウガ 3個
えごまの葉 3枚
キムチの汁、すりニンニク、ゴマ、ごま油
〈作り方〉
①市販の素麺のつゆは水で割り、少し濃い目に作る。
②①に細かく刻んだミョウガとえごまの葉、キムチの汁は好みの量、すりニンニクは少量、ゴマ、ごま油適量を加え、よく混ぜて冷やしておく。
③調味料を混ぜ合わせタレを作り、牛肉の細切れにタレ3の割合、棒状に切ったナスにタレ2の割合で和えておく。
④キュウリは千切り。
⑤卵はフライパンにサラダ油を入れ、錦糸卵、またはスクランブルに焼いて冷ます。
⑥韓国海苔は刻む。
⑦えゴマの葉は千切りにする。
⑧キムチは小さく切っておく。
⑨季節のフルーツは食べやすく切って、冷やしておく。
⑩①のタレに漬けた牛肉、ナスはそれぞれフライパンで焼いて冷ます。
⑪鍋の水を沸騰させ、素麺をパラパラと入れて、強火で2分茹でる。茹で上がったら、冷水で良く洗い、水気を切って器に分ける。
⑫冷えた具材を綺麗に盛り付け、フルーツを飾ったら海苔、えごまの葉を真ん中に添える。
⑬冷やして置いた②の汁を注ぎ、ピビンバのようにかき混ぜて食す。
ポイント
◇器は冷凍室などで冷やしておくと良い。
◇牛肉は上質の柔らかい肉で作るとほかの具材と良く合う。
◇季節のフルーツは桃、スイカ、メロン、梨、パイナップルなど好みのもので。
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花柄のトウモロコシ煎
【材料】(4人分)
トウモロコシの缶詰
(ホール) 200㏄
トウモロコシの缶詰
(ペースト) 200㏄
塩 小1/3
薄力粉 60㌘
【酢醤油】
醤油 大5
酢 大2
レモンの絞り汁 大1
松の実のみじん切り
〈作り方〉
①ボウルにトウモロコシと汁、塩、薄力粉を入れて混ぜる。
②フライパンでサラダ油を熱して①を大さじスプーン1ずつ流し、両面を焼く。
③酢醤油をそえる。
ポイント
◇煎は中〜弱火でゆっくりと、裏面は焦げ目が少々つくまでしっかり焼き、表面は軽く焼くと色が綺麗でふっくら感が出る。焼いている途中でフライ返しの裏面やヘラなどで丸く形を整える。
◇表面の花模様は、赤ピーマンの皮、ニンジンをみじん切りにして形を整える。葉部分は春菊、イタリアンパセリ、ハーブ類や青唐辛子の輪切りなどを使う。
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薬膳スイーツ〜朝鮮人参茶ゼリー
【材料】(4人分)
朝鮮人参茶顆粒 12㌘
水 600㏄
パールアガー 20㌘
クコの実 大1
百歳酒 大3
【ソース】
練乳 大4
百歳酒 大1
朝鮮人参すり下ろし 少量
〈作り方〉
①鍋で水、朝鮮人参の顆粒を煮て、沸騰直前に火を止める。泡立て器で混ぜながらパールアガーを加えて、よく溶かし型に流す。
②①が冷やし固まったら2㌢角に切る。
③②にクコの実の百歳酒漬けを加えて混ぜ、冷やした茶器に盛る。
④ソースは材料を混ぜ合わせる。朝鮮人参のはちみつ漬けを添える。
⑤直前にソースをかけてゼリーとかき混ぜる。
ポイント
◇百歳酒にクコの実を入れて漬ける。
◇配合は大事なので、レシピ通りの分量で。
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プロフィール
イ・ヨンスク 1969年広島県生まれ。98年京急百貨店(神奈川・横浜上大岡)オーかスクラブで開店時当初から韓国料理教室講師を務める。和食、イタリアン、フレンチ、和菓子、洋菓子などを習った後、04年韓国に料理留学。ソウルの宮中飲食研究所で韓国料理の基礎を習う。06年自らがオーナーを務める韓国料理と伝統茶の店「横濱茶花咲」をオープン。店を経営する傍ら、公立高校や企業主催の料理教室の講師、駐日横浜総領事館主催晩餐会の料理助手なども手がける。
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横濱茶花咲
〒231‐0023 横浜市山下町214番地思明楼ビル3階
JR石川町駅北口(中華街出口)徒歩3分
(℡045・222・1368)。
営業時間 12〜14時半、17時半〜21時(3日前予約制)。不定休。
(2008.7.30 民団新聞)