掲載日 : [2008-07-30] 照会数 : 7707
会員の絆強固に 余玉善中央本部会長に聞く
[ インタビューに答える余玉善婦人会中央会長 ]
200回を数えた全国婦人会大研修会
「全国婦人会大研修会」は、各地協単位で婦人会参加者の絆を強固なものにしてきた。いざとなれば、全国から2000人以上の動員を図れるというのもこの30年間、欠かさず研修を積み重ねてきたからこそだ。折しも今年の研修会は、4月に選出されたばかりの余玉善中央執行部の船出と重なった。九州地協会場(大分県別府市)で記念すべき200回目を迎えたのを機に、余会長に研修会の意義と成果などについて聞いた。
組織動員の土台築く
関東地協を皮切りに研修が始まった6月3日は「私のスタート」となった。東北地協会場を除くすべての研修会に出席した。記念すべき200回目を迎えた九州地協会場では、あらためて特別な感慨に浸ったという。
「在日組織で30年間延々と続いてきた研修会がありますか。婦人会の結束力は力強いものだとあらためて再認識しました。婦人会だからこそ、ここまで続いてきた。歴代会長と先輩に敬意を表します」。
余会長は年に1回の研修会を七夕にたとえる。「年に1回、彦星と織り姫が会うように、みなさん、婦人会が好きで愛している。人間対組織だけじゃないですよ。1年に1回、会員の皆様に会えるのを楽しみに来ているという方もおられた。それを聞くと、ああ、やってよかったなと思う。婦人会にとって大事なのは、こうした人間としての情愛であり、人と人との絆なのです」。
研修会が終わると、余会長をはじめとする執行部全員、玄関先に出て帰りのバスが見えなくなるまで手を振る。「来年も会いましょうと。これが私の感謝の気持ち」という。7地協会場で毎年、合わせて2000人以上が集まるというのも、こうした心遣いの成果なのだ。
研修会は順姫会長時代の79年から始まった。名称は全国の「地区別幹部特別研修」だった。当時、余会長は大阪・住吉支部の一会員だった。和歌山県白浜温泉の千畳敷を借り切って開かれたときの研修会をいまでもよく覚えていた。
「びっくりした。会場には机もなく、畳に座って講義を受けていたのです。勉強会というよりも、温泉目当ての親睦会の雰囲気。これでいいのかなと思った。ただし、参加者の熱意だけは伝わってきた」という。
当時に比べれば、いまは研修会の雰囲気もだいぶ様変わりした。講義中の途中退席者も見られない。開会式では参加者全員がチマ・チョゴリで正装してゼッケンを付け、地方参政権獲得への決意を表明する姿に講師も襟を正すという。
研修会の準備は約1年がかり。各会場では各県本部の役員が一同に会して翌年の日程と会場を決めていく。「いかに安く経費を抑え、皆さんに喜んでもらえるのかに心を砕く。講師も同一会場で2、3年続けて同じ先生は招かない」。
余会長は「いま、やっと大きな仕事を終えた気分」と安堵の表情を見せた。10月には本国研修があり、来年には婦人会の創立60周年が控えている。地方参政権獲得運動でも、女性としての視点を生かして取り組んでいくという。「これから私のカラーを出していきたい」とひそかな闘志をのぞかせた。
(2008.7.30 民団新聞)