掲載日 : [2008-07-30] 照会数 : 8923
「みんだん生活センター」 サポートさらに充実化へ
[ 第2回全体会議であいさつする鄭進民団中央本部団長 ]
Q&A形式の冊子作成も
生活支援事業の一環として、戸籍整理、婚姻・離婚、相続、税務など同胞の抱える問題の無料相談・助言のために、東京・港区の韓国中央会館内に設置された「みんだん生活相談センター」(代表者=鄭進中央本部団長、所長=呂健二中央本部副団長)が、17日で開設1周年を迎えた。同センターでは、もっと多くの同胞に活用してもらうために、この間の活動を総括し、運営の充実化を図る。相談事例をもとにしたQ&A形式の冊子の作成や民団ホームページへの転載なども予定している。
相談、多岐に約800件
在日同胞および日本人の弁護士、税理士、司法書士、行政書士ら25人でスタートした専門相談員は現在32人を数える。
この1年間の累計相談件数は約800件(7月17日現在)にのぼる。相談内容では戸籍関係(戸籍整理、婚姻、離婚問題など)と相続関係(韓国の相続法、韓国における不動産相続、日本内不動産の相続、遺言状の作成など)に関するものが半数近くを占める。税務など税理士関連の相談は比較的少なかった。
心の問題を含む医療関係の相談も50件近くあった。公的年金受給、無年金問題、生活保護など社会保障、福祉に関する相談も20件以上あった。
ニューカマーといわれる同胞からは各種在留資格に関する相談や給与未受け取り、労働災害、金銭トラブルなどに関する相談が多かった。不法滞在者からの電話相談も少なくない。
このほか、2重国籍解除、「朝鮮」や日本国籍から韓国籍への変更など国籍問題、兵役問題、住宅問題、交通事故の処理・保険金問題、債務・債権問題など、相談は多岐にわたっている。
予約制を原則としているが、実際の相談は予約約200件に対して当日の飛び込み相談のほうが約500件と多かった。 予約制による直接面談のほかに①電話による直接相談②インターネットによるテレビ電話(ウェブカメラ)を使った対面相談(センター〜地方本部)も行われている。相談時間は1人1回30分とし複雑な相談は専門家が判断して別途に個別相談または継続相談とする。
相談日時は、土・日を除く週5日、13時から16時まで。電話受付は9時半から16時まで。(℡03−3454−4911、FAX03−3454−4632)
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「多くの方から感謝」専門家も今後に意欲
第2回全体会議
生活相談センター開設1周年の17日に、韓国中央会館(東京都港区)で開かれた08年度第2回全体会議では、過去1年間の相談内容別報告と前半期方針に関する経過報告を受け、同胞へのサービス、サポートの充実化のための今後の課題および運営について意見交換が行われた。
鄭進中央本部団長は冒頭のあいさつで、「貴重な時間を使い、ボランティアとして専門相談員を引き受けてくれた皆さんに感謝します。1年間やってきていろいろな問題もあったと思いますが、同胞のためにもっとよいものにしていきたい」と表明、充実化へ一層の協力を要望した。
センター設立時の中心メンバーの一人である崔聖植行政書士は「民団が各分野の専門家と協力して全国の団員を対象に直接相談を実施したのは初めてのこと。この1年間、多くの方から感謝の言葉をいただいた。さまざまな相談に応えることができたのは、専門相談員の尽力と協力のおかげです。いろいろな課題も見えてきたので、皆さんとひとつひとつ克服していきたい」と語った。
(2008.7.30 民団新聞)