掲載日 : [2008-09-17] 照会数 : 9035
<京都版>京都日韓協が再始動
[ 設立総会であいさつする千玄室会長 ]
朝鮮通信使来日400周年記念再現パレード機に
休眠状態が続いていた京都日韓親善協会が6月から本格的な活動を再開した。同協会は、人権法律問題や東アジアの歴史などを研究テーマとする「五大顧問研究会議」と8つの企画研究室を置き、単なる親善の枠を超えた活動をめざす。「共生社会の実現」を基本理念とする民団京都府本部の期待も大きい。
「共生社会の実現」を期待
「五大顧問研究会議」のうち、人権法律問題研究会議では在日韓国人の人権を扱う。東アジア歴史研究会議は東アジアの平和がテーマ。このほか「故郷の家・京都」の支援にも取り組む。主なメンバーは荒巻禎一京都文化博物館館長や上田正昭京都大学名誉教授など、学者と民団京都府本部顧問など19人で構成している。
また、園田寛大津市会議員を室長とする企画研究室では学者や企業経営者らで日韓交流、国際交流、日韓先端産業などをカバーする。
今年度中には「朝鮮通信使と京都」をテーマにシンポジウムを開く。11月には訪韓し、韓日親善協会などの友好団体との交流を図る。
設立総会は千玄室裏千家大宗匠、二之湯智参議院議員、金有作民団京都府本部団長が呼びかけ人となって6月1日、中京区のホテルで開かれた。京都府から山田啓二府知事、京都市から門川大作市長もお祝いに駆けつけるなど関係者250人が参加した。
会長に就任した千玄室氏は、「協会設立を日韓両国民が手を携えて交わる契機にしたい」と述べた。理事長は参議院議員の二之湯智氏。副会長に選ばれた金有作民団京都府本部団長は、「念願の京都日韓親善協会が設立されることになって本当にうれしい」と感激を露わにしていた。
京都日韓親善協会は76年に1度設立されたが、90年代後半から活動が止まり、01年からは事実上の休眠状態になっていた。
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「文化交流の場に」 千玄室会長
京都日韓親善協会は過去76〜95年まで足かけ20年にわたり活動してきましたが、その後、休会状態となっておりました。日韓親善協会中央会の越智通雄理事長から京都の協会を再建してほしいとの要請が何度もありました。
私もその期待に添わなければと思っておりましたところ、07年秋には民団京都府本部が朝鮮通信使来日400周年記念再現パレードを計画し、日本側もこれを支援したことで成功を収めました。これが契機となって何度も世話人会が開かれ、設立総会に至りました。
今回の協会はまったく新しい気持ちで設立しましたので、再建ではありません。これからも共に手を携え、お互いに手を貸しあって、日韓両国民の交流の場としていきたいと思います。
具体的には文化交流活動を中心として京都府・市民、在日韓国・朝鮮人の皆様とともに世界平和の礎となるよう努力していきます。
(2008.9.17 民団新聞)