掲載日 : [2008-09-17] 照会数 : 10326
<京都福祉事業特集>完成間近「故郷の家京都」
[ 来年1月にはこんな立派な老人ホームに ] [ 「故郷の家・京都」の内部見取り図 ]
介護と地域福祉の一体めざす
多文化共生の老人ホーム
在日コリアンと日本人が共に暮らす特別養護老人ホーム「故郷の家・京都」が完成間近になり、11月11日から一般の方や利用希望者に施設全体を公開する内覧会を開始する。運営するのは社会福祉法人「こころの家族」=尹基理事長(田内基)=で、介護サービスや生活様式に韓日双方の文化や食事を採り入れた介護の実践と研究、教育、地域福祉活動の連携を一体化した福祉文化の創造を目指している。
11月11日から内覧会
年明け入居 募金目標達成へあと一歩
「故郷の家・京都」は敷地面積約1400坪、鉄筋6階建て、延べ床面積2300坪で、特別養護老人ホーム(100人)、ケアハウス(40人)、ショートステイ(20人)の高齢者施設のほか、シンポジウムや公演、イベントなどのできる多目的文化ホール(150人収容)が併設されている。
ユニットタイプ式(全個室)の、家庭での生活により近い介護方式を採り入れるほか、居住スペースは全てオンドル(床暖房)で、食事などにもコリアン文化の長所を多く採り入れている。職員も在日・ニューカマーの職員、韓国からの職員、韓国福祉研修生の受け入れなど、さまざまな先進的な取り組みがなされている。
総事業費は約27億円で、京都市から約6億円の助成を受けるほか、韓国と日本で10億円の建設資金を募っている。
日本側では、20年前から大阪府堺市、神戸市長田区での建設を支援してきた「在日韓国老人ホームを作る会」をはじめ、07年3月からは京都の地元に「故郷の家・京都支援の会」(代表会長=水谷幸正・佛教大学理事長)が結成され、日本人と在日の双方による建設募金活動が開始されている。また民団京都府本部も「故郷の家・京都建設民団後援会」を立ち上げ、積極的に建設募金活動を行っており、現在まで1億3000万円の募金が寄せられている。
施設の入所開始は09年1月からの予定で、8月からは完成に先駆けて入所相談が開始されており、すでに180件を超える問い合わせが寄せられている。
京都民団各支部では団員の要望に応え、利用説明相談会を市内6支部で開催する予定だ。