掲載日 : [2008-11-13] 照会数 : 4844
セマウル運動、アフリカへ…慶尚北道
[ 覚書を締結した(右端から)金寛容慶尚北道知事、潘基文国連事務総長ら ]
セマウル運動、アフリカへ
国連機関とも連携…来年から
貧困撲滅へ強い期待
慶尚北道は来年から、国連機関と協力しながらアフリカで「セマウル運動」を展開する。国連が地球村の貧困撲滅をめざした「新ミレニアム開発」の一環として、タンザニアなどに「韓国型ミレニアムビレッジ」を造成する計画だ。
慶尚北道の金寛容知事は4日、米ニューヨークの国連本部で潘基文国連事務総長をはじめ、飢餓と貧困退治のための組織ミレニアム・プロミス(MP)、国連世界観光機構STEP財団、韓国国際協力団(KOICA)の関係者とともに「韓国型ミレニアムビレッジ」造成のための覚書を締結した。
国連は2000年から、地球村の貧困と飢餓解放を目標に「新ミレニアム開発」を推進、その一環として04年から同開発事業をアフリカで展開中だ。
今回の締結により、慶尚北道は来年から、タンザニアやとウガンダの4つの村でセマウル運動の経験とノウハウを伝授する。13年までの5年間で、計800万㌦(慶尚北道・STEP財団150万㌦、KOICA650万㌦)を投入し、韓国型ミレニアムビレッジを建設する。
セマウルとは「新しい村」の意味。新しい近代的な村づくりをめざし、朴正煕大統領が提唱したセマウル運動は1971年から、全国的に展開された。「勤勉・自助・協同」を基本精神とし、農村の環境改善や所得増大を実現した。同運動の発祥地が慶尚北道の清道郡である。
本国のセマウル運動に歩調をあわせて、在日同胞は73年にセマウム(新しい心)運動を提唱し、祖国の山々に苗木を植え、緑化運動を展開した。また、150カ所の村々とセマウル姉妹結縁を進め、郷土の近代化に少なからず貢献した。
今年の建国60周年を記念し、韓国の大手紙が世論調査した「この60年間の民族最大の業績」によると、トップがセマウル運動だったことからも、偉大な成果が改めて立証された。
近年は、セマウル運動が韓流として復活。特にアジア地域から訪れる研修生は後を絶たず、中国やベトナム、フィリピン、モンゴルのほか、ロシアやコンゴなどからも韓国を訪れている。
各国で現地指導も行っている。慶尚北道の関係者はベトナム政府の依頼により、山間部に入ってセマウル会館の建設や、道路整備、農水路の開拓、電気施設の設置などを直接指導し、成果をあげている。
こうした実績が評価され、今回、アフリカの地で本格的なセマウル運動が展開されることが期待されている。
(2008.11.12 民団新聞)