掲載日 : [2008-11-27] 照会数 : 5875
<女性コラム>床暖房のぬくもり
東京の街路樹が色づき、朝晩寒くなってきた。「日本の家は寒いよね」と知人と語ることの多くなる季節である。
実家の父は日本の風土と気候には日本家屋が最も適していると、純和風の家を建てた。私は全室襖と障子で仕切られた家で育ち、冬は食事もテレビも勉強も睡眠もこたつと一緒だった。
結婚し、東京でのマンション暮らしも寒さは実家とそう変わらなかった。しかし、今年4月、夫の決断で引っ越した新居は、リビングに床暖房が備えられている。まさに韓国のオンドルである。
数日前、夫が床暖房をつけ、床にごろりと横になり休んだらしいのだが、大変心地よいと感嘆していた。同じマンションに住む同僚は、すでに床暖房付きのリビングで、子どもと暖かい快適な眠りを得ているらしい。
在日1世の祖父はその昔、今は残っていないが、ここ日本での生活で一部屋のオンドル部屋を造り、子どもが風邪をひくと、その部屋に眠らせたと聞く。 こたつの冬も風情があるが、寒い冬にはオンドルが一番と思える。在日の暮らしはさまざまな面で韓国式と日本式が上手に取り入れられているが、在日に限らず隣人である日本の方にもオンドル(床暖房)の良さを伝えたい。と、言うのも日本では維持費が高い床暖房は、家庭で使わない設備NO1と言われるからだ。
しかし、オンドルの快適で健康的な良さを知れば、その見方も変わるはず。都内のマンションの5割強は、床暖房が備えられていると聞くから…。
李睦美
(2008.11.26 民団新聞)