掲載日 : [2008-11-27] 照会数 : 8614
<青年会特集>連帯願い多文化フェスタ
[ 4月16日に開かれた地方参政権付与を求める緊急市民集会=憲政記念館 ]
10カ国余集い日本議員と対話
青年会中央本部は市民団体と共催し、「多民族・多文化共生社会の創造」、「多文化と対話」などをテーマに、「多国籍住民と日本の議員でつくる多文化フェスタ」を、11月30日午後1時から東京・新宿区の韓国学校で開催します。
日本には現在、韓国人や中国人、ブラジル人、フィリピン人をはじめ190カ国もの国籍を持つ人々が215万人以上暮らしています。その中で、日本社会における外国籍住民の果たす役割もまた、ますます大きくなってきました。
私たち在日同胞を含む外国籍住民は、日本社会で生活していくうえで、日本人以上に様々な問題・隘路に直面します。しかしながら、外国籍住民に投票権はなく、地域の議会や行政などに意見を反映させることが大変難しい実情があります。
多文化フェスタの開催は、多様な歴史的背景や文化を持つ多くの国籍の人たちに集まってもらい、それぞれの魅力的な文化を語り合い、知り合うとともに、日本の議員の方々と直接対話する場を設けてみたいということから企画されました。
フェスタの内容は、大きくシンポジウム形式とフェスタ形式の二部構成で実施します。一部では10カ国を超えるスピーカーが登場する多国籍住民のリレートーク、各政党の国会議員によるアピールがあります。二部は国籍も様々な出演者による歌と踊りの祭典です。
日本に定住する外国人の多くは、雇用、住居、医療・福祉・保険、教育等々の際に受ける様々な差別構造の中に置かれています。私たち韓半島にルーツを持つ在日同胞青年は、在日1世、2世の先輩たちから受け継いだ知恵や経験を有しています。在日の歴史は100年を超える豊かなものです。私たちは諸先輩の功績を踏まえ、日本における定住外国人問題をリードしていく立場になるべきだと考えます。
青年会は在日同胞社会という土台に立ちながらも、いっそう視野を広げてお互いの違いを理解し、尊重しあい、共に生きる「多民族・多文化共生社会」を実現するために、さらに一歩踏み込んで、「広範な市民との連帯」を築き、定住外国人のオピニオンリーダー、リーディングマイノリティーとして、力強く歩を進めていく考えです。
■□
市民講座も各地で
共生理念の浸透めざして
青年会は各地方本部でも地域社会での多民族・多文化共生理念の浸透をはかる目的のもとに、市民公開講座を企画しています。
12月14日(日)には、京都府本部が「共に生きる〜東九条に託す願い」と題し、「東九条マダン」実行委員長である朴実さんを招いて、講演会を行います。
朴実さんが闘ってきた、民族名を取り戻す運動や、在日同胞集住地域で毎年開催されている「東九条マダン」に対する経緯や想いを通して、誰もが自分らしく生きることのできる「共生社会」の姿を、地域住民と共に模索していきます。
岡山県本部では、アイヌ民族の歴史と文化から、現在の多民族社会を考える講演会が来年の2月11日に予定されています。この講座は青年会にとって、今まで取り上げたことのないテーマにも果敢に取り組もうとする意欲的なものです。より多くの人たちと共に学ぶ機会となるように、同本部では宣伝広報など積極的な取り組みを見せています。
また、東京、神奈川、愛知なども「多民族・多文化共生社会」をテーマに市民公開講座の開催が予定されています。より多くの地域で、より多くの人々と学ぶ機会を共有することができるよう、地域社会に密着した取り組みを進めていきます。
(2008.11.26 民団新聞)