掲載日 : [2008-12-11] 照会数 : 7639
巡回領事制度始まる 電子旅券の発給に合わせ
[ 電子旅券発給開始日は申請者が相次いだ=東京 ]
大阪は支部合同7カ所で
在日同胞を対象にした電子旅券の発給が11月25日からスタート。各公館では旅券申請者が列をなす混雑ぶりを見せた。旅券法の改正により、本人の直接申請が原則となったのに合わせて巡回領事制度が導入され、民団・公館による新たな共同作業が始まった。
問われる団員サービス度
3連休明けの11月25日、東京・南麻布の韓国領事館の窓口には、旅券や各種書類の申請者が早くからつめかけた。そのため待合室の椅子を増やすなど、終日、対応に追われた。
領事館によると、数日間は1日平均400〜500人と、通常の3〜4倍の申請者が来館した。民団東京本部の場合、同21日までの駆け込み申請が100件を超えたという。
電子旅券の場合、申請から交付まで約3週間はかかる。有効期間は10年で、期間延長は認められない。
本人の直接申請が原則のため、民団の団員への便宜提供につながった領事業務の代行ができなくなった。それにかわって導入されたのが巡回領事制度。旅券担当者が民団事務所に出張し、そこに集まった申請者を確認するもの。
事前に必要書類(旅券申請書、家族関係証明書、委任状など)の確認をしなければならず、早めの対応が必要だ。巡回領事の当日に本人を確認したうえで印紙代を支払う。
各公館は管轄の民団と協議しながら出張日を決めているが、初めての試みだけに対応の仕方はさまざまだ。
関東地域の場合、年内は15日の民団栃木、19日の民団山梨の2カ所が決まっている。民団山梨には税務・教育関連の行政官が同行し、旅券受付とあわせて説明会が計画されている。東北では山形(4日)、中国地方では鳥取(9日)でそれぞれ実施された。
民団大阪の場合は、支部ごとに巡回する。2日の生野区(3支部合同)を皮切りに、火・木曜日の週2回、実施している。民団大阪本部の金秀事務局長は「全支部を7区域に分け、毎月1度は巡回していく。同胞が多いことから、公館側で便宜を図ってくれたことに感謝している。来春まで実施したうえで再協議する方針だ。原則、手数料は徴収せず、これからは代書や書類の具備など、きめ細かい団員サービスをいかに行っていくかが大事だ」と語っている。
なお、電子旅券所持者は、インターネットで米国の電子渡航認証システム(ESTA)を通じて認証されれば、短期滞在査証免除(ノービザ)で米国旅行が可能だ。
(2008.12.10 民団新聞)