掲載日 : [2009-02-25] 照会数 : 5436
<布帳馬車>カクテルパーティー効果
「カクテルパーティー効果」。騒がしい席でも、人間は自分が聞こうとする声を、ざわめきの中から選びとって認知できる、という心理学用語だ。「聞きたい」「聞きたくない」を問わず、気になる言葉が自然と耳に入ってくることは確かにある。
3機関長就任祝賀会で、大会の印象や民団の展望を参加者に聞いた。記者がインタビューすれば相手はどうしても身構える。幹部たちが実名でコメントを出す以上、それは立場を背負っての公式発言だから当然だ。だが、記者としては何気なく飛び出す言葉、ポロリとこぼれ落ちる言葉にも興味が向く。
その祝賀パーティーは、ビートの聞いたバックミュージックがあり、サムルノリもあって、顔を近づけないと会話ができないほどだった。だが、3年に一度の大会だ。喧騒もものかわ、お互いに近況を交換し、知人友人を紹介しながら、怒鳴るように語り合っていた。
そんな会場で「大会参加者は予想以上だったね。お宅は何人来たの?」「役員の顔ぶれも少しは新鮮になったな」「あんたんとこは改選大会だね。後継者決まっているの?」といった声に混ざって、最も多く聞こえてきたのが「お互い大変だが、とにかく頑張ろうよ!」だった。記者も「本当に正念場だよ。頼むよ」と肩を叩かれた。
新3機関長にも当然、「パーティー効果」はあったはず。どんな声が聞こえたのだろうか。同じ音量の音が複数重なっても、民団に必要な音を聞き分ける能力を発揮して欲しい。(J)
(2009.2.25 民団新聞)