在日同胞 価値ある総合3位…この善戦を次への糧に
移民で力つける他地区の同胞
選手の育成・発掘急ぐ…民団活性化にも不可欠
◆初参加から56年、盟主誇った在日
在日同胞が韓国の国体に初めて参加したのは第34回大会(1953年)で、その参加競技はわずか1種目。それはサッカーの単独チームで、選手と役員あわせて25人の選手団にすぎなかった。
その後、年々出場規模が大きくなり、各種目でメダルを獲得した。国内各市道の中でも総合10位に入る、いわば少数精鋭の強豪だった。過去に多くの国家代表も輩出してきた。
◆王者在日・在米の「2強時代」に終焉
◆海外同胞の戦力、移民状況で変化
しかし、3年ほど前からこの2強神話が大きく崩れてきた。2000年代に入って移民が急増した豪州、ニユージーランド、フィリピンをはじめ、韓国企業の進出で増加した在中国同胞などがメキメキとレベルアップしてきた。いわゆる新規定住同胞の急増が選手層の拡大につながっていったのだ。
また、執念ともいえるほど、在日、在米の2強に対するライバル意識が根強いのも事実。
これらの相乗効果によって、各国同胞とも移民してきた元国家代表級の選手や若いスポーツ留学生などを発掘し、戦力拡大を図り、在日や在米に引けをとらない大型選手団を派遣してきた。
在日同胞社会や民団の活性化に、スポーツの果たす役割は大きい。今後、新規定住者を含め、選手の育成・発掘が重要になる。
◆新規定住者どうし…交流は年々深まる
各国選手団とも新規定住者、いわゆるニューカマーたちが増えているが、国を越えての交流が盛んだ。中でも、ボウリングは、選手年齢層の幅が広く、特に女性選手同士は同じ異国の地に住む女の立場から、情報を交換し合う場になる。
連続出場の選手も多く、国体での再会が楽しみひとつ。エールを交換し合い、記念品やユニホームの交換、そして記念写真を撮り合いなど、その輪は年々広がっている。
◆在日同胞のメダル、金6含む12個
在日同胞はゴルフ、ボウリング、テニスなどで金メダル6個を量産。卓球やスカッシュでも奮闘し、銀2、銅4の合わせて12個のメダルを獲得した。女性陣も合計6個のメダルを獲得する大活躍を見せた。
◆88五輪生まれが生き生きと活躍
また、ゴルフの河尊永、テニス男子ダブルスの金メダリスト尹炯はともにソウル五輪の88年生まれの20歳と21歳。このほか、サッカー、テコンドーなどソウル五輪生まれの選手は10人を数え、それぞれ母国の大舞台で生き生きとプレーした。
◆金メダル
▽ボウリング男子5人組(姜直樹/金富夫/朴俊雨/宋一柱/張智成)
▽テニス女子単式(許愛希)
▽テニス女子複式(許愛希/金美砂代)
▽テニス男子複式(金泳泰/尹炯)
▽ゴルフ男子個人(河尊永)
▽ゴルフ男子同2人組(河尊永/金龍大)
◆銀メダル
▽ボウリング女子個人(高和美)
▽卓球女子(李信子)
◆銅メダル
▽ボウリング男子2人組(宋一柱/朴俊雨)
▽ボウリング男子3人組(宋一柱/朴俊雨/張智成)
▽スカッシュ女子(李由衣)
▽水泳高校女子200㍍平泳ぎ(蔡知怜)