掲載日 : [2009-11-18] 照会数 : 4954
韓国開催のG20首脳会議 変革の中心を担う
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韓中日協力のリード役も
先進・新興主要20カ国首脳会議が来年11月、韓国で開かれる。米国ピッツバーグで9月25日に開催されたG20首脳会議で決まった。1999年のG20財務長官会議以後、米国で金融危機が発生した直後の昨年11月、首脳会議に格上げされ、定例化して最初の会議を韓国で開催することにした。世界秩序の行方と韓国に与える意味は大きい。
世界秩序を主導してきたG8首脳会議は、アジア金融危機と米国発金融危機で限界を露呈した。世界秩序の変化を主導する中心がG8からG20に移動するのだ。これが韓国でスタートすることになる。
G20財務長官会議は97年のアジア金融危機を契機とし、首脳会議への格上げは米国発金融危機に起因した。したがって、首脳会議に格上げされて以後3回の不定期的な会議は、危機を克服するための会議だったといえる。定例化によって核心議題も、金融危機克服を超えて全世界的イシューを扱う会議に変貌する。
環境問題、世界的所得格差問題、新しい世界金融秩序の再編などのイシューを扱っていくことになり、先進国中心の秩序再編ではなく、先進国と新興国の共同利益を追求する体制になるだろう。そういう変化の中心点に韓国が位置している。
先進国と新興主要国が共同で世界秩序の変化を主導すると同時に、これら2つの勢力を連結する役割を韓国が受け持つことになる。
韓国は米国発金融危機を最も早く克服している国家として、世界の注目を浴びている。97年のIMF金融危機を効果的に克服したのに続き、韓国経済の底力を世界に見せつけ、世界各国が韓国にかける期待はより一層大きくなっている。
次に、東北アジア協力の中心に韓国が立つ点である。
9月のG20首脳会議が終わった直後、韓中日首脳会議が中国・北京で開かれたが、今回の会議を契機に東アジア協力を主導する首脳会議に変貌したといえる。
今回の3国首脳会議では、政治軍事的な側面を主に扱った「韓中日首脳会議10周年記念共同声明」と、経済的側面を扱った「持続可能な開発のための共同声明」の2つを採択した。何より注目しなければならないのは、東北アジア3国が世界的な変化の中心軸に立ち、変化を主導し始めたという点である。
脱冷戦以後、米国中心の一極体制は米国発金融危機以後、厳しい挑戦を受けている。このような渦中に、EUを中心にしたヨーロッパ圏のブロック化現象は深化しており、アメリカ圏も巨大なブロック圏を形成している。東アジア地域だけが巨大ブロックを創り出せず、世界的な変化傾向に引きずられて行かざるを得ない状況だった。
そうした経緯から、東北アジア3国は今回の会議を契機に東アジア経済共同体、もしくは経済ブロック化を牽引していく根拠地をつくったと見なければならない。さらに韓中日3国は、G20でもアジア国家として世界秩序の変化を主導する立場に置かれている。この3国協力の中心点に韓国が存在する。
李明博大統領は9月のG20会議で、IMFと世界銀行の改革の必要性を強調した。また数多くの首脳会談を通じて、世界秩序の変化と各国の協力の必要性を力説している。これらを実行に移すために、細部の事案を後押しする努力が傾注されなければならない。
韓国は実質的な先進国進入を目前にしている。しかし、先進国進入は単純に所得水準を高めるだけで達成されるのではない。世界的に尊敬を受ける国、困難を助けることができる国、世界の安定に責任を果たせる国にならなければならない。その機会が眼前に到来している。
董龍昇 三星経済研究所 研究専門委員
(2009.11.18 民団新聞)