掲載日 : [2003-05-01] 照会数 : 3679
<コラム・布帳馬車>サーズ特需
イラク戦争が一段落してホッとしていたら今度は新型肺炎、サーズ騒動だ。韓半島でも発症者が出たとの報道が気になる。死者は中国、香港を中心に250人を超えたという。影響はイラク戦争以上だ。〞硝煙なき戦争〟といわれるのも理解できる。
韓日の人的・文化的交流にも打撃が大きい。大相撲のソウル公演が延期になった。韓国への修学旅行を計画していた日本の中学・高校が日本国内に行き先を変更しているとも聞く。せっかく昨年のサッカーワールドカップで盛り上がった親善ムードに水を差されたのが残念でならない。
一方で今回のサーズ騒動は思わぬ〞特需〟も産み出している。ブームは飛沫感染を予防するマスクはもちろんのこと、耳に差し込んで検温できる体温計、うがい薬など。販売先の日本企業にはここ数カ月で昨年1年間の消費高を優に上回る注文が寄せられているという。
病原体は比較的抵抗力のないお年寄りに感染が広がっている。このため中国では抵抗力(免疫力)を高めようと、漢方薬だけでなくニンニクのきいた韓国キムチが大人気だと「朝鮮日報」が報道した。キムチは中国では比較的高級品とされる。にもかかわらず輸入元には平常時の数倍のペースで注文が寄せられ、現地生産のキムチも販売量が2倍に増えているという。
禍福は糾える縄の如しというべきか。
(k)
(2003.4.30 民団新聞)