掲載日 : [2003-05-14] 照会数 : 3739
<コラム・布帳馬車>「一人歩き」の責任
今年7月に「韓国戦争」(朝鮮戦争)休戦協定締結50周年を迎えるが、同協定の締結者は「米国と北韓と中国の3か国」とする、誤った言説が、日本のマスコミ(新聞、テレビ)を中心に一人歩きしている。
北韓の核問題に関する米国と北韓および中国による3者協議が北京で開かれた直後の日曜日(4月27日)のテレビ番組「サンデーモーニング」でも、コメンテーターのひとりが「朝鮮戦争の当事国である3国」に、日本と韓国をも加えた協議が望ましい、との趣旨の発言を行っていた。
半世紀前となる「朝鮮戦争」を知らない多くの日本人が、「韓国は朝鮮戦争の当事国ではない」と受け取ったとしてもやむを得ないだろう。このコメンテーターは「朝鮮戦争休戦協定の当事者である3国」といったつもりなのだろうが。そうだとしてもやはり誤りだ。韓国を「休戦協定の当事者ではない」とみなしているからだ。
休戦協定は国連軍総司令官、北韓軍最高司令官、中国人民志願軍総司令の3者が署名した。韓国は、米国を含むすべての国連軍側参戦国と共に「国連軍総司令官によって代表される」という形で明白に休戦協定の当事者である。
それにもかかわらず、誤った言説が繰り返されるのはどうしたことか。不正確な知識がデータ化され、そのまま引用され続けた結果、「事実」視されているのでは…。これまで「黙認」してきた韓国側にも問題がないだろうか。
(Y)
(2003.5.14 民団新聞)