掲載日 : [2003-06-11] 照会数 : 3988
<コラム・布帳馬車>国産品愛用運動
手軽なミニギターが欲しくなった。こう見えても私はバンドの主宰者なのだ。
調べてみると、2分の1とか3分の2とか、色々なスケールがある。最寄りの楽器店にも在庫があったのだが、実際に弾くと子供のオモチャみたいな感じがして、今ひとつしっくり来ないでいた。
ある日女房が、O町のデパートで中古品を見たと言うので、試しに行くことにした。お陰で彼女がそこで何を買ったかは、うやむやにされてしまったが…。
売り場には、多くの楽器に混じって数本のミニギターが置かれており、何となく、その内の一本に惹き付けられた。が、「触れるとセンサー作動・注意」とあったので、私は行儀良く店員を呼んだ。
「これを見たいんだけど…」と私。「あっ、どうぞどうぞ」と彼。(何だコイツ?別に何かのスイッチを切るでもなく、そのまま商品を下ろしたぞ。センサーはったりか)と心の中で私。
弦が錆びている上に調律されてなく、試し弾きできないので、どうしようかと思案してると「メイドイン・コリアですからねぇ」と意味深な含み笑いの店員。それを睨み付けながら「これくれ」と私は即決した。
レジで支払いを済ませると、保証書に連絡先をと促された。住所と電話の後に私が書いた一字の姓を見て、一瞬にして彼が縮み上がるのがわかり、すぐ追い打ちをかけた。
「悪かったな、俺もメイドイン・コリアで…。」(S)
(2003.6.11 民団新聞)