今年は、ユネスコ世界記録遺産に登録されている高麗大蔵経刊行から1000年。海印寺、慶尚南道、陝川郡は共催で、「千年を引き継いできた大蔵経の価値再発見」をテーマにした、「2011年大蔵経千年世界文化祝典」を9月23日から11月6日まで、陝川郡伽?面を主要会場に、海印寺、昌原コンベンションセンターで開催する。海印寺境内で作る醤を初めて販売するほか、マダンノリ公演、博覧会、大蔵経板刻体験など、多様な行事が用意されている。
海印寺で世界文化祝典
「秘蔵の醤」も味わえますよ
韓国の3大寺刹の一つである海印寺の周囲には、15点の宝物をはじめ、私宝200余点など、多くの文化財や古跡が保存されている。
海印寺は慶尚南道陝川郡伽?面に、802年に創建された。高麗の高宗時代、1236年から14年の歳月をかけて彫った8万余枚の「八万大蔵経」(高麗大蔵経)が保管されている「八万大蔵経板殿」は1995年、ユネスコ文化遺産に登録された。
高麗大蔵経は、高麗時代の仏教の経典を集大成したもので、現存する大蔵経で最高峰と評されている。釈迦が一生の間に伝えた教えや戒律、後世の人たちのために書かれた理論や注釈などが盛り込まれている。書き刻んだ文字は約5200万文字におよぶ。
また高麗大蔵経板は、当時の教典をほとんど照らし合わせて校正、添削、配列して完成させたもので、膨大にもかかわらず誤字や脱字は無く、最も精巧であると評価されている。
高麗大蔵経の制作は、モンゴルに侵攻されていた高麗が、モンゴル撃退を祈願するために、国家事業として始めたものだ。最初の高麗大蔵経の彫板は、1011年から1087年まで77年間をかけて完成された。だが、1232年にモンゴル軍の放火により消失。4年後の1236年から16年間をかけて完成されたのが、現存する高麗大蔵経になる。
高麗大蔵経には、国家の安泰を祈り、仏の加護を願った高麗人全ての精神が宿っている。韓国人が誇りに思う文化遺産の一つが高麗大蔵経だ。その心は時代を経て、現在の韓国人の中に息づいている。
知恵を学ぶ数々の催し
◇文化行事
<千年の夢、生きている知恵を学ぶ>9月24〜11月6日11時半〜、14時45分〜/菩薩樹の公演場。八万大蔵経制作過程の話を理解しやすく構成した、マダン形式の公演。<大蔵経文化のシルクロード>同期間13時45分〜、17時〜/同会場。世界各国の公演。<慶南文化フェスティバル>同期間13時〜、16時15分〜/同会場。慶南地域の文化芸術公演団の多彩な公演舞台。
◇体験行事
<心の行間を刻む>9月24〜11月6日10〜18時/千年の庭常設行事場。①般若心経など板刻などの体験②蔵経板殿の模型組み立て。<千年の願いを祈る>同期間、時間、会場。木工芸ソッデとチャンス作り。
◇学術行事
<千年の高麗大蔵経、世界人と疏通する>9月28〜29日/昌原コンベンションセンターコンベンションホール3階。基調講演ほか。
◇特別行事
<自身を振り返る時間>9月24日10〜18時半/世界市民館。45日間、108拝リレーで行われる精神の体験プログラム。祝典HPで事前受けつけ。
<海印寺の醤、一般販売>僧侶が伝統的な手法で作った味噌や醤油、コチュジャンを、初めて販売。1㌔㌘あたり1万8000ウォン程度。
詳細は「2011大蔵経千年世界文化祝典」ホームページ http://jap.tripitaka2011.com/main/
(2011.8.31 民団新聞)