久しぶりにハンドボールの醍醐味を味わった。先月行われた12年ロンドン五輪アジア予選の韓日戦の話である。
互いにジャンプしてのスカイパス、キーパーの頭上に放つループシュート、ボールを回転させたバウンドゴールなど、ダイナミックでスピーディーな試合展開はスリリングで、魅了された。
女子の場合、4連勝同士の両国が1枚の五輪行切符をかけて最終戦で闘った。前半は1点差で日本にリードされたものの、後半に入るや、地力の差が徐々に出て5点差で韓国の快勝。
実はこれが因縁の試合だった。日本代表の監督は韓国人。昨年の広州アジア大会で韓国が日本に敗れて6連覇を阻まれた。韓国人監督に対する韓国のリアクションはすごかった。しかし、悔しさが大きかった分、今回の勝利は格別の喜びとなったのではないか。
ソウルで開催中の男子予選(今日2日決勝戦)は、韓日が初戦で対戦し、韓国の圧勝に終わった。シュートの際のキープ力に差があるようだが、途中出場した尹京信の身長204㌢から振り下ろす豪腕シュートにはうならされた。
彼は強豪ひしめく欧州で12年間プレーし、7回も得点王になった。いまや「伝説の選手」だ。38歳になりながらなお、存在感は衰えることがない。
日本の実業団チームで活躍する韓国人選手は多い。14、5年前、中村荷役が男子実業団で3連覇したときの監督も、得点王になった選手も韓国人で、日本の高校生たちから圧倒的な人気を得ていた。女子では韓国人の監督兼選手が率いたチームが勝ち続けた。今思えば、日本ハンドボール界はすでに「韓流」の世界であった。(Q)
(2011.11.2 民団新聞)