掲載日 : [2003-07-02] 照会数 : 4485
<コラム・布帳馬車>民族学校生のため息
民族学校の国立大学受験資格をめぐる攻防がヤマ場に入った。インターナショナルスクールの卒業生にだけ大学受験資格を認めるとしてきた文部科学省は「民族差別だ」との指摘にこの方針を一転凍結。民族学校を含めて再検討し、その結果を7月に明らかにすると述べたからだ。
しかし、この7月という期限もどうやら守られるという保証はないようだ。検討結果発表の時期を明らかにするよう求めた社民党議員に5月末、「検討する期間も含めて検討中」と人を食ったような返答をしたことは記憶に新しい。民族学校排除の法的矛盾点をただす「弁護士有志の会」の質問状は回答期限が6月末日だったが、文科省の都合で延期になったという。
7月に入ると各大学から入試要項が発表される。9月には大検、10月からはセンター入試の申請受付も始まる。国立大学受験が認められればセンター入試だけに標準を合わせられるが、そうでなければまず大検を受けざるをえない。いずれにしても、来年の国立大学入試を準備している民族学校生にとっては落ち着かない気分だろう。
聞くところによると、文部科学省の高官は朝鮮学校に対して理屈抜き〞とにかくイヤ〟の一点張りなのだという。
文科省が今後、どのような判断を示そうとも、さんざん振り回されただけの民族学校生からは、ため息が出ることだろう。
(P)
(2003.7.2 民団新聞)