掲載日 : [2003-07-30] 照会数 : 4450
<コラム・布帳馬車>「気持ちが悪い」
平日のテレビのワイドショーや日曜午前の報道特集などでは、相変わらず北韓関係のものに少なからぬ時間が割かれている。拉致問題から始まり、北韓核開発、脱北者、金正日一家の動静など、話題に事欠かないからだろう。
だが、これまで何度も放映された同一のものあるいは同じような映像を流し、おもしろおかしく取り上げている番組も少なくないという。
「気持ちが悪い」。北韓児童たちの大人に媚びるような、また機械的・画一的な演技・演奏や反米遊戯、独特なイントネーションのナレーションなどに対する感想を求められた、某番組でのコメンテーターの発言だ。
いまに北韓権力者のみならず住民をも「異星人」(エイリアン)視する人がでてくるかもしれない。同じような映像や異様な場面を繰り返し見せられることで、知らず知らずのうちに「刷り込み」がなされるのではないかと懸念される。
こうした番組で、在日同胞の評論家や国内紙東京支社長が、韓半島南北関係や北韓問題について、「他人事」のように(「日本人と同じように」と形容する同胞読者からの声もあったが)、得々と語っているのには、違和感を禁じ得ない。
日本のテレビ局担当者にとっては、その場の「空気」に合う人や合わせてくれる人は頼りになり、頼もしいのかもしれないが…。
(Y)
(2003.7.30 民団新聞)