掲載日 : [2003-08-20] 照会数 : 3820
<コラム・布帳馬車>本物の味求めて3千里
「暑い、暑い」と連日のように口走りながら過ごして来たはずの今年の夏。気がつけばひんやりした風が吹き、薄手のセーターを着ないと寒くすら感じるようになった。
暑さ真っ盛りだった夏前半、わが家ではキムチの消費量がぐっと増えた。アイスクリームやかき氷もいいけれど、手にするのはキムチ。口に入れた時の清涼感がたまらず、止められなくなる。過去2回、キムチ作りに失敗した経験から、もっぱらスーパーや焼肉店などで購入する。スーパーでは一通り、全種のキムチをチェックするが、最近目につくようになってきたのが中国産キムチだ。
先日スーパーで、「辛〜いキムチ」の文句に惹かれて手にすると、価格がなんと1袋150円台。色は食欲をそそる適度な赤色、白菜の水分がさほど出ていない、などと確認して試しに食することにした。
日本産のいわゆる浅漬けキムチに比べるとキムチらしい味だ。一口目は瞬間、「いけるかも」と思うのだが、食べ続けていくうちにいわゆる発酵した本来のキムチの奥深い味にはほど遠く思えていく。
自分で漬け込まないから文句は言えないのだが、市販されている日本や中国産キムチから本物に近い味を探し出すのは困難かとも思ってしまう。
そんなことを考えながらも次から次へとメーカーを変えながら、納得できる味を探し求めてスーパーを歩く姿は自分でも笑えてくる。「いい加減、自分でキムチ漬けたら」と誰かに言われそう…。(U)
(2003.8.20 民団新聞)