ソチ冬季五輪に続き、パラリンピックが開催中で、さまざまなドラマを繰り広げている。韓国で注目されたのが、ロシア代表として出場したショートトラックのビクトル・アン(韓国名・安賢洙)選手だ。
男子団体5000㍍リレーでロシアに初の金メダルをもたらしたのをはじめ、500,1000㍍でも金メダルを獲得する活躍ぶりを見せたのは記憶に新しい。同競技で韓国男子が初めてメダルなしという結果に終わっただけに、アン選手の強さが際立った。
韓国内ではアン選手がなぜ韓国を去ったのか、スケート連盟などに対する非難の声が起こったが、アン選手に対しては、困難を乗り越え再び頂点に立ったことに拍手が送られた。
国籍とは何かを改めて考えさせられた。特にスポーツの世界では、国籍を変更するケースが少なくない。中国の卓球選手が国内の代表の座を射止めるのが至難なことから、他の国籍に変える例が相次いだ。
ショートトラックの韓国選手でも今回が初めてではない。2002年のソルトレーク五輪で優勝した崔敏敬選手がフランス国籍に変えて、06年のトリノ五輪に出場した例がある。
いまやスポーツ競技にとどまらず、人はより良い環境を求めながら移っていく。その際に国籍変更が必要であれば、手続きをするだけにすぎない。
先月開かれた第63回民団中央委員会で、青年会や韓商連など傘下団体の規約改正案が承認された。今回の改正で注目されたのが、日本国籍同胞の地方会長就任を認めた点であった。民族と国籍を切り離した考え方が、これからますます求められていくにちがいない。(Q)
(2014.3.12 民団新聞)