東日本大震災から11日で3年が経った。マスメディアは特集を組み、被災者たちの現状を克明に伝えた。一方、朝鮮日報(11日付)は、韓国外交部の趙泰永報道官の「両国民が大切な隣人としてともに未来をつくっていける環境が一日も早く整うことを期待する」というコメントを報じた。これらのニュースを目にしながら当時のことを思い返した。
壊滅的な被害を受けた被災地に海外からいち早く入ったのは、韓国の緊急救助隊。韓国内では募金活動や支援の輪が瞬く間に広がった。民団も義援金をはじめ、救援物資提供や炊き出し、医療支援などを行いながら被災者に寄り添ってきた。これらは「隣国」として最善を尽くした支援であり、「同じ住民」としての思いから取った行動だった。
最近、日本人を頼もしいと思う出来事があった。在日韓国・朝鮮人に対する執拗なヘイトスピーチに抗議する「レイシストしばき隊」と、東京・新大久保「コリアタウン」地域のヘイト落書きを消す「差別らくがき消し隊」の参加者たちだ。中心的メンバーは日本の人たちである。「同じ日本人として許せない」「市民同士は友だち」と意を決したその思いに感激した。
テレビ報道によると震災当日、激甚地区では110人を超える赤ちゃんが生まれたという。この数字には含まれない同胞の新しい命も誕生したかもしれない。この子たちの将来を考える。困難に直面した時「お互い様」という関係でいられるか。
だが私たちには、韓日共生の土台がある。この子たちのために、次はその基盤に頑丈な柱を立てる仕事が待っている。(P)
(2014.3.19 民団新聞)