北韓・安保で連携確認
朴槿恵大統領とオバマ米大統領、安倍晋三日本首相による3カ国首脳会談が核安全保障サミットの開催地であるオランダ・ハーグで25日に開かれ、北韓核問題を中心に45分間話し合い、東北アジアの安全保障問題で緊密に連携していくことと、中国の役割の重要性を確認した。朴大統領と安倍首相が首脳として公式対面したのは今回が初めて。歴史認識問題など韓日間の懸案については特に論議されなかったという。会談後に両首脳は握手を交わした。韓日2国間の首脳会談は、2012年5月の李明博大統領・野田佳彦首相会談以来開かれていない。関係修復への布石となるか注目されている。
今回の3カ国首脳会談は、ともに同盟国である韓日の関係悪化を懸念した米国の主導によるもの。米国は、オバマ大統領の韓日歴訪が4月下旬に迫るなか、激変する東北アジア情勢を踏まえ繰り返し韓日関係の改善を双方に促してきた。
韓日両国は、一昨年夏以降、領土、旧日本軍慰安婦、歴史認識問題などをめぐり関係が急速に冷却し、「韓国大統領就任年の韓日首脳会談開催」という慣例に反して、昨年は首脳会談が開かれなかった。
韓国側は、韓日首脳会談推進の条件として、12日の両国外務次官級会談で「安倍首相が慰安婦問題をめぐる河野談話の継承を明言」「慰安婦問題の新たな対応」「安倍首相周辺が歴史問題をめぐる発言を自制」などを挙げたと伝えられている。
安倍首相は14日の参院予算委員会で「村山談話を継承する。河野談話を見直すことは考えていない」と明言。翌15日に朴大統領が「幸いだ」と述べた。だが、韓国側はその直後も「日本の今後の姿勢を見極める」(外交部)とし、日本に具体的で納得できる措置を引き続き求めている。
韓国外交部は21日の報道発表文で「政府は日本政府と軍慰安婦被害者問題に関し、局長級会談を開催する協議を進めている」と明らかにした。
両国の議連も積極的に動く
両国間には、軍慰安婦問題のほかに韓国人徴用工をめぐる訴訟や歴史認識問題などの懸案が横たわっている。黄祐呂韓日議員連盟会長(セヌリ党代表)と河村建夫日韓議員連盟幹事長(自民党選挙対策委員長)は24日、韓国国会内で会い、両議連指導部が共同して慰安婦問題の解決策に向けて取り組んでいくとともに、その他の比較的容易な懸案から解決方法を模索していくことで一致したという。
韓国ギャラップ社による世論調査(18日発表)によると、韓日首脳会談について「現状でも、懸案解決のために必要」が52%を占めていた。日本での世論調査でも「関係修復」を望む声が50%を上回っている。
韓日国交正常化50周年を来年に控え、関係の早期修復と未来志向の新たな関係の構築が望まれてきた。それだけに、自由・民主・市場経済など基本的価値観を共有する隣国である両国にとっての「共通利益」を再認識し、経済、安全保障をはじめ互恵的関係を着実に強化していくなど、賢明かつねばり強い対応と積極的な歩み寄りが両国のリーダーに強く求められている。
それと関連して、相互理解増進と相互尊重・信頼の構築に逆行する、相手への配慮を欠いた刺激的で乱暴な発言を繰り返す一部政治家の自制や、双方の見解の違いをことさらに強調して両国国民の感情対立を煽らないよう、双方メディアの冷静かつ大局的な対応が望まれている。
(2014.3.26 民団新聞)