「わかるわー」「うーん」「でもさ」。先日、在日の女友だちと会った時のこと。一人がある人生案内の切り抜きを持ってきた。投稿者は50代のパートで働く主婦。「同居して3年になる姑がいつも居間にいて、家に帰ってもくつろげない」と嘆く。投稿者と同世代の3人のなかで、姑と暮らすA美が口火を切った。
「うちと似てるかも」。共働きで帰宅後、食事の支度に取りかかる。在日には珍しい消極的な性格で、一日の大半を居間で過ごす姑はそんな嫁を見て、夕飯の手伝いを申し出るが、A美は断るという。2人の会話はほとんどないらしい。最悪なのは、夫が帰るまで自室にこもっているというA美の態度だ。
私の「あんた、なんでそんなに冷たいの」に続き、B子は「話しもしないなんて、お姑さんが可哀想。手伝ってもらったらぼけ防止にもなるじゃない」とつつく。「だって、一人でやった方が早いし、疲れているから休みたいのよ」と、悪びれた様子がないA美の考えについていけない。
その時「ねー、あなたたち、『ヨナナム』て知ってる? 今韓国で流行っているらしいよ」とA美。「ヨナナム」とは、年上の女性と付き合ったり、結婚する年下男性のこと。最近、このカップルの結婚が増えているそうだ。「あなたたちも韓国でヨナナムを探した方がいいよ。日本じゃ、もう無理だと思うし」。独身のB子と私は唖然。 A美は私たちを結婚させて、姑と住まわせたいらしい。「そしたら私の気持ちも少しは分かるでしょ」ときた。だが心配は無用だ。親友として放っておけないのよ。あなたの性根を入れかえるまでは離れないからね。覚悟しなよ。(S)
(2014.5.28 民団新聞)