安全阻害の根源断つ
政府機能を集中・強化
朴槿恵大統領は19日、旅客船セウォル号沈没事故で国民向け談話を発表、「彼ら(被害者)を守れず、大統領として悲しみを感じている。国民の生命と安全の責任を負うべき大統領として、国民がこうむった苦痛に、心より謝罪する」と述べ、「事故にまともに対処できなかった最終的な責任は大統領である私にある。その高貴な犠牲が無駄にならないよう、必ず、大韓民国が生まれ変わる契機にする」と強調した(写真)。さらに海洋警察庁の解体、安全行政部と海洋水産部の機能大幅縮小、国家安全処新設などを内容とする政府組織改編案を発表し、与野党と民間による真相調査委員会の設置を柱とする特別法の制定も提案した。
朴大統領は「海洋警察庁は救助・救難活動をなおざりにするという構造的な問題が続いていた。そのため、苦心の末に解体することにした。国民の安全について最終責任を負うべき安全行政部も自らの役割を果たさなかった。海洋警察庁を指揮・監督する海洋水産部も責任を逃れることはできない」と強調した。
朴大統領は、3部庁の安全機能を国務総理室傘下に新設される国家安全処へ移す一方で、安全行政部の人事・組織機能を国務総理室傘下に設置される行政革新処に移管することを表明した。海洋警察庁の捜査・情報機能は警察庁に移る。これにより、海洋警察庁は発足61年目にして解体され、安全行政部は行政自治業務に専念することになった。海洋水産部の海洋交通管制センターは国家安全処に統合し、同部は海洋産業育成や水産業の保護・振興に専念させる。
また「二度と国民の生命と安全が脅かされないよう、韓国社会全般の腐敗を取り除いていく」と決意を表明し、国家改造のための官僚改革案も提示。「官フィア」(官僚+マフィアの合成語)の清算、官民癒着を断つため、「安全、許認可・規制、調達業務と直結する公職関連団体・機関長・監査には公務員を任命しない」と述べた。
退職公務員の就業制限対象機関は現在の3倍に拡大し、再就職制限期間を退職後2年から3年に伸ばすことにした。
同時に「官フィア」が政府に対して不当なロビーや請託をできないように処罰を強化する「金英蘭法」(不正請託の禁止および公職者利害衝突防止法案)の早急な通過を国会に求めた。
朴大統領は真相調査委員会でセウォル号に関連したすべての問題を話し合うことを望むと強調。セウォル号犠牲者に哀悼の意を表して追悼碑を建立し、事故が発生した4月16日を「国民安全の日」に指定するとも提案した。
談話発表の後半、友人を救おうとして亡くなった安山の檀園高校の犠牲生徒らの名前に言及する部分では涙を流した。
(2014.5.28 民団新聞)