4日に実施された統一地方選挙の結果、ソウルなど主要8都市(特別・広域市)と9道の首長選で、与党セヌリ党が京畿道や仁川市、釜山市など8市・道、最大野党の新政治民主連合はソウル市や忠清圏を中心に9市・道で勝利を収めた。与党と野党の広域団体長の比率は選挙前の9対8から8対9に逆転した。
市郡区は与党躍進
セヌリ117 新政連80 無所属29
セヌリ党が勝利したのは、同党の地盤である釜山(徐秉洙)、大邱市(権泳臻)、蔚山市(金起)、慶尚南道(洪準杓)、慶尚北道(金寛容)の嶺南圏5カ所のほかに、仁川市(劉正福)と京畿道(南景弼)の首都圏2カ所および済州特別自治道(元喜龍)。
新政治連合が制したのは、ソウル市(朴元淳)をはじめ、同党の地盤である光州市(尹壮鉉)、全羅南道(李洛淵)、全羅北道(宋河珍)の湖南圏3カ所と、大田市(権善宅)、世宗市(李春熙)、忠清南道(安熙正)、忠清北道(李始鐘)、江原道(崔文洵)。(カッコ内は当選者。敬称略)
旅客船セウォル号沈没惨事の対応をめぐり政府への批判が高まる中、苦戦が予想されていたセヌリ党は、一つ減らしたとはいえ、首都圏2カ所で勝利し、最大激戦区の釜山市も死守するなど健闘。
与党への批判を追い風に躍進が期待された新政治連合は、仁川市を譲ったものの最大の勝負地域のソウル市で大差をつけて勝利し、忠清圏では4カ所をすべて制した。だが、全体では改選前より1カ所多く獲得するにとどまった。
一方、226市郡区(基礎自治体)の首長選ではセヌリ党が117市郡区、新政治連合が80市郡区で勝利した。残る29は無所属。
前回2010年の統一地方選では、セヌリ党は228地域のうち82市郡区の獲得にとどまったが、今回雪辱を果たした。民主党として前回92市郡区を得た新政治連合は不満足な結果に終わった。
全体として有権者は、セヌリ党が強調した「朴槿恵政府安定論」と新政治連合の「セウォル号審判論」のうち、どちら側にも軍配を上げず、与野党「痛み分け」の形となった。
ちなみに最大の有権者を擁する首都圏では、ソウルはほとんど変化がなかったものの、全体でセヌリ党が24人、新政治民主連合が40人の当選者を出し、野党が優勢となった。だが4年前と比べ、セヌリ党の当選者が15人から24人に増えた一方で、新政治連合は46人から40人に減少した。
なお、前回の統一地方選挙で4カ所の基礎自治団体長選で勝利し、翌年の再・補欠選でも1カ所で当選者を出した統合進歩党は、広域団体長に12人、基礎団体長に42人を立てたが1人の当選者も出せなかった。「進歩」系野党の正義党も広域団体長に4人、基礎団体長に7人の候補を立てたが当選者はゼロだった。
投票率56・8%
投票率は56・8%だった。地方選挙の投票率としては、1995年に実施された初の統一地方選挙時の68・4%に次ぐ高さだ。前回は54・5%。
主要8都市と9道では、65・6%の全羅南道が投票率1位で、済州道(62・8%)が続き、最も低くかったのは52・3%の大邱市。首都圏ではソウル市が58・6%、仁川市が53・7%。京畿道は地域別でワースト2の53・3%だった。ちなみにセウォル号惨事で多くの生徒が犠牲者となった安山高校のある京畿道安山市壇園区の投票率は47・8%で、京畿道全体の平均より5・5ポイントも下回った。
教育監選挙では「進歩」系が圧勝
今回の統一地方選で同時実施された17主要市・道の教育監(教育長)選では、ソウル市や京畿道など13地域で「進歩」系候補が当選した。保守候補の当選は3地域にすぎなかった。残る1地域は中道候補。
特に相当数の地域で保守候補が乱立、一本化に成功した「進歩」系候補が30%台の得票率で勝利した。前回の16市・道教育監選挙での当選者は「保守」10・「進歩」6だった。
(2014.6.11 民団新聞)