韓国も日本も少子高齢化が加速気味だ。したくとも結婚できるだけの収入がない。煩わしさがつきまとう結婚(家庭)より気楽なおひとり様がいい。子どもを産んでも将来に責任を負えない。晩婚だと障害者を産む確率が高い。こんな不安を抱く若い世代が増えた。
今は親でさえ、「早く結婚しろ」とは言いにくくなった。「妊娠はまだか?」「早く孫の顔を見せてね」なども禁句になっている。まして、赤の他人が女性に「まずは自分が産めよ」「産めないのか」などとは口が裂けても言える時代でない。
この種のセクハラを平然と行うマッチョぶりっ子政治家が多いのには驚く。そういう手合いが一方で憎韓・嫌中を煽り立て、ヘイトスピーチをも助長させるのだ。
それにしても、と思う。日本人が敬愛してやまない皇族もその手のいたぶりと無縁でないこと、をである。
週刊誌などで皇太子家族が俎上にのるもは珍しくない。雅子さんは皇太子妃として男子の世継ぎを産む期待に応えられなかった。娘の敬宮愛子さんは、従弟の誕生によって女性天皇論が潰えると、ますます有り難みのない存在になった。皇族内部からも母娘に冷たい視線が注がれているという。外務省の有能なキャリアだった雅子妃の心に異変が起きるのも当然だろう。
皇位継承者を男系男子のみとする「皇室典範」の思想と、<おぼっちゃマッチョ>とも言うべき威勢のいい世襲政治家の増殖、女性へのセクハラと国家主義的性向とはどこかでつながっているように思える。皇室の始祖は女性の天照大神だ。これを思い起こし、日本女性の奮起があってもいい。(S)
(2014.7.9 民団新聞)