サッカーW杯ブラジル大会はドイツの優勝で幕を引いた。そのドイツに準決勝で7‐1の歴史的大差で敗れたブラジルが大荒れだ。数字の「7」までが呪詛されるほどとか。連邦下院はサッカー王国のメンツをかけ、協会幹部を対象に準備過程などをきめ細かく調査する聴聞会の開催を検討中という。
8強進出を掲げながら無様な結果に終わった韓国も、深刻な後遺症に悩まされよう。今大会の代表監督を務めた洪明浦氏が期限付き留任から一転、辞任した。彼はアジア最高のボランチと称され、02年韓日大会4強と12年ロンドン五輪銅メダルの立役者だ。ミスター韓国サッカーの退場は惜しまれる。
今大会の韓国はテクニックはもとより、スピード、体力でも劣った。弱点をカバーする韓国らしいがむしゃらな闘志もなかった。ファンが怒るのも無理はない。しかし、である。監督就任を固辞した洪氏はこんな事態を予期していたのではないか。不振を理由に代表監督がころころ変わるようなチームを、短時間で果たして建て直しできるのか。煩悶があったに違いない。
罵り合うだけでは、関係者をいたずらに傷つけ、怨恨を再生産し、次世代育成にも大きな障害になる。次期代表監督をしがらみのない外国人にすればすむことではない。8強という目標と実力には大きな隔たりがあった。何が不足したのか。ブラジルのように国会が乗り出さずとも、徹底した検証を公開的に行い、教訓を残すべきだ。
強引に就任させておいて失敗すればこっぴどく叩く。そんな体質にもメスが欲しい。韓国がサッカー指導者やスター選手をよってたかって潰す国になるのは情けない。(Y)
(2014.7.16 民団新聞)