民団中央本部の呉公太団長は23日、ソウルの公共法人「在外同胞財団」を訪問し、旅客船セウォル号沈没事故の犠牲者遺族のために在日同胞や日本人市民などから民団中央本部と全国各地方本部に寄せられた募金6400万円を同財団に寄託した。
呉団長は「愛する家族を失った悲しみを癒す方法はないが、遺族と被害者の方に少しでも助けになればと、在日同胞らの思いのこもった募金を寄託した」と語った。
募金は4月28日から6月30日まで約2カ月間行われた。当初の目標は2000万円だったが、事故の詳細が日本でも伝わり、民団が中心となり積極的に募金を行ったことで目標の3倍以上が集まった。
呉団長は、「事故の知らせを聞いてすぐに募金の計画を立てたが、当時は行方不明者の捜索が続いていて、救助の知らせを待つ家族の心情を考慮し、献花台の設置と募金開始を遅らせた」と説明、「韓国中央会館に設置した献花台には在日同胞だけでなく安倍晋三首相をはじめとして多くの日本人が訪ね、哀悼の意を示した」と伝えた。
さらに呉団長は「中央本部と地方本部に直接来訪し、寄付を伝達した日本人もいた」と強調、「3年前の東日本大震災の時、韓国社会から寄せられた支援を日本も忘れていないことを感じることができた」と述べた。
呉団長は募金の寄託と合わせて、韓国中央会館内の献花場に設けられたポストイットボードを埋め尽くした弔問者のメッセージを一冊にまとめて伝達した。
在外同胞財団の圭理事長は「故国の社会が困難な状況にある時、在日同胞が率先して募金などの支援を惜しまなかった。募金が遺族の痛みを慰めるのに使われるよう伝達する」と感謝の意を表明した。財団は、寄託された募金をNGO「希望ブリッジ全国災害救助協会」に伝達する予定だ。
(2014.7.30 民団新聞)