とろみとコク、それでいて甘くもなく、すっきりしたのどごしの無添加生マッコリ「周王山」。米と小麦が織りなす絶妙のハーモニーだ。複数の客が「飲むほどにうまみが増し、思わず多めに飲んでしまう」と評している。
醸造場は東京・荒川区のJR三河島駅近く、韓貞淑さん(55、写真)が切り盛りする韓国家庭料理店の裏側にある。既存の酒蔵ではなく、酒製造の設備も実績もなかった韓さんにマッコリ造りの免許が交付されたのは異例だ。
慶尚北道青松郡から来日。ある日、韓さんは市販の輸入マッコリで蒸しパンをつくってみようと思い立った。マッコリパンは食べ物が豊富でなかった時代の「懐かしい母親の味」。ところが、パンがふくらまない。加熱処理されていたためだ。それならばと、自らの手でおいしい生マッコリを造ることを思い立った。
慶尚北道安東市内の老舗マッコリ醸造所で働く弟さんから技術指導を仰ぎ、10年9月に最寄りの東京・上野税務署から製造免許を取得した。申請からまる1年がかり。
希望する韓国料理店にはサンプルを無料発送(送料別)している。店名「ママチキン」。東京都荒川区西日暮里1‐7‐6(17〜翌2時、03・3801・4156)。
(2014.8.15 民団新聞)